2011 Fiscal Year Research-status Report
肺癌所属リンパ節における制御性T細胞の意義と免疫抑制機構の解除
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23592079
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30299614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹之山 光広 産業医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10309966)
浦本 秀隆 産業医科大学, 医学部, 講師 (90389445)
重松 義紀 産業医科大学, 医学部, 助教 (10546469)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 肺癌 / 制御性Tリンパ球 / 所属リンパ節 / Foxp3 / フローサイトメトリ / リアルタイムPCR |
Research Abstract |
非小細胞肺癌患者の末梢血リンパ球および所属リンパ節リンパ球におけるTreg細胞の頻度の比較および臨床因子との相関を検討する。今年度は、細胞内FACSの手法を用いてFoxp3の発現をフローサイトメトリーにて解析した。2003年1月から、2004年3月までに当科にて手術した肺癌患者で所属リンパ節リンパ球および末梢血リンパ球が凍結保存できている症例84例について解析を行い、所属リンパ節リンパ球では4.4%、末梢血リンパ球では2.8%と所属リンパ節リンパ球にて有意に高い比率で制御性T細胞を認めた。腫瘍浸潤リンパ球においては10.4%とさらに有意に高い比率でTregを認めました。現時点では、組織型および病理病期などの因子との関連は認められていない。 次に、病理病期第1期非小細胞肺癌患者58例の所属リンパ節より、RNAを抽出し、cDNAに変換した。所属リンパ節におけるFoxp3の特異的Primerを設計し、発現解析をquantitive PCRにて行った。Stage IAが40例、Stage IB18例であった。Stage IA症例の所属リンパ節リンパ球におけるFoxp3遺伝子の発現は、-actin に比べて0.088で、Stage IB症例では0.081であり、差を認めなかった。-actin に比べて0.051をカットオフとして、高値群28例で 低値群28例に分けたところ、5年生存率は、高値群81.2% 低値群92.3%と、Foxp3遺伝子の発現が低い群が予後良好である傾向を示した(p = 0.268)。今後も、さらに症例を集積し、解析を続ける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Foxp3を指標とするフローサイトメトリ Real time PCRの条件設定が終了し、検体の解析が予定通り進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
肺癌所属リンパ節における制御性Tリンパ球をCD4・CD25・Foxp3を指標にReal time PCRとフローサイトメトリの2つの手法にて評価し、どちらが優れているかを検討する。リンパ節リンパ球における制御性Tリンパ球の比率の臨床的意義について解析する。さらに、所属リンパ節への微小転移をサイトケラチンをマーカーとしてReal time PCRで評価し、制御性Tリンパ球の存在との相関性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は主にフローサイトメトリやReal time PCRの試薬費・ディスポ製品及び学会発表の経費に用いる予定である。4月に新たな試薬購入をするため次年度に繰り越している。
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Research Products
(6 results)