2013 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌所属リンパ節における制御性T細胞の意義と免疫抑制機構の解除
Project/Area Number |
23592079
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (30299614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹之山 光広 国立病院機構九州がんセンター, 医学部, 呼吸器腫瘍科医長 (10309966)
浦本 秀隆 産業医科大学, 医学部, 准教授 (90389445)
重松 義紀 産業医科大学, 医学部, 助教 (10546469)
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Keywords | 肺癌 / 腫瘍免疫 / 免疫逃避機構 / 制御性T細胞 / TGF-β / Foxp3 / 所属リンパ節 |
Research Abstract |
制御性T細胞(Treg)は抗腫瘍免疫応答を抑制し、癌の進展、転移との関連性が指摘されている。肺癌の免疫逃避機構の解明を行うため、肺癌患者における所属リンパ節や、末梢血リンパ球の制御性T細胞(Treg)の発現を解析し、その臨床的意義を見い出すことを目的に研究を行っている。今年度は、Tregに特異的に転写因子Foxp3を指標として、病理病期I期肺癌における肺癌所属リンパ節におけるTregの頻度および肺癌の微小転移との関連を検討した。方法は、外科切除された肺門縦隔リンパ節を混合し、mRNAを抽出、cDNAに変換した。Tregの指標としてFoxp3を用い、肺癌細胞の指標としてcytokeratin 19 (CK19)を用いて、それぞれの発現をreal-time PCRにて評価した。対象は、2005-07年に外科切除がなされた病理病期I期非小細胞肺癌131例。男性75例、女性56例、平均年齢71歳。組織型は、腺癌99例、扁平上皮癌21例、大細胞癌5例、その他6例であった。internal controlの基準としてはβ-actinを使用し、β-actinとの発現比で、Foxp3およびCK19の発現量を相対的に定量した。Foxp3の発現が、β-actinに比較して0.06より低い群を低値群、0.06以上を高値群とし、CK 19では0.011より低い群を低値群、0.011以上を高値群とした。5年生存率はFoxp3低値群で90.3%、高値群79.3%であり、低値群で有意に良好であった(p = 0.047)。また、CK19についての5年生存率は、低値群で88.9%、高値群83.6%であったが、有意差は認めなかった。肺癌所属リンパ節におけるCK19とFoxp3発現は、弱い相関関係を認めた。非小細胞肺癌の所属リンパ節において、Foxp3の高発現は有意な予後不良因子であった。非小細胞肺癌の所属リンパ節における宿主の抗腫瘍免疫応答を明らかにすることは、再発リスクの予測の上で有用であると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Clinical significance of the frequency of regulatory T cells in regional lymph node lymphocytes as a prognostic factor for non-small-cell lung cancer2013
Author(s)
Hanagiri T, Shigematsu Y, Shinohara S, Takenaka M, Oka S, Chikaishi Y, Nagata Y, Iwata T, Uramoto H, So T, Tanaka F
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Journal Title
Lung Cancer
Volume: 81
Pages: 475-9
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