2013 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮選択的BNCTを用いた脳血管再狭窄予防法の開発
Project/Area Number |
23592084
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中井 啓 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50436284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 明 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241819)
山本 哲哉 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30375505)
吉田 文代 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30261811)
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Keywords | ホウ素中性子捕捉療法 / ホウ素送達システム / リポソーム |
Research Abstract |
中性子捕捉反応を用いた殺細胞効果を血管内皮細胞で証明することを目標としていたが、日本原子力研究開発機構の原子炉利用は共同利用のほか、いかなる形においても不可能であった。一方で京都大学実験原子炉の共同利用が申請を採択され可能となり、年間数日の細胞照射実験が可能となった。 候補薬剤を腫瘍細胞に送達するシステムを構築するため、新規ホウ素含有脂質を合成し、これをDSPC, Cho, DSPE-PEGとともに組成に含むリポソームを調整することで、外部の脂質膜にホウ素を含有するホウ素含有リポソームを作成した。サイジング、接着分子を用いた表面修飾により、EPR効果および、接触時に細胞に対する接着機能を併せ持つ粒子を設計作成した。接着機構のために、protein transduction domains (PTDs)として、HIVのTAT配列からペプチドを設計した。培養細胞および培地にホウ素含有粒子を添加し、中性子照射を行うことで、殺細胞効果をホウ素なし粒子に比べて高いことを証明し、また、細胞取り込み実験においてはリポソーム内をさらにホウ素クラスター水溶液を封入することによって、およそ新規粒子はさらに2.5倍のホウ素濃度を達成することを示した。 あわせて、CT26細胞を用いた培地にリポソームを添加した中性子照射実験においては、本リポソームを用いた場合に、コロニー形成試験で細胞増殖の抑制が確かめられた。PEGのみ含有のものと比較しておよそ10%、従来のホウ素化合物と比較すると差はわずかではあるが、より強い抑制効果を認めている。
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