2011 Fiscal Year Research-status Report
脳虚血耐性現象におけるエピジェネティクスを介した神経保護機序の解明
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23592088
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
吉岡 秀幸 山梨大学, 医学部附属病院, 診療助教 (20402076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 博之 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (30241623)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脳虚血耐性現象 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
エピジェネティクスとは、クロマチンの化学的、構造的な修飾による遺伝子発現制御である。本研究の目的は、脳虚血耐性現象におけるエピジェネティクスの役割を検討することである。エピジェネティクスのメカニズムは主にDNAのメチル化およびヒストン蛋白質の化学修飾から成り立っている。DNAのメチル化は、シトシン-グアニンの順に並んだ2塩基配列であるCpG配列上で、DNAメチル化酵素を介して起こるが、これは転写因子の結合阻害や転写不活性なクロマチン形成を生じ、遺伝子発現を強く抑制する。ヒストンの化学修飾(アセチル化、メチル化、リン酸化、ユビキチン化、ADPリボース化)の組み合わせも、転写活性などのゲノム動態を制御している。本年度は脳虚血耐性現象におけるDNAのメチル化およびヒストン蛋白質の化学修飾の状態を網羅的エピゲノムアレイ解析の手法を用いて検討した。脳虚血モデルにはラット一過性前脳虚血モデルを使用した。このモデルでは、3分間の非致死的虚血負荷では神経細胞死を生じないが、5分間の致死的虚血後3日目以降には、ほとんどの海馬CA1錐体細胞に遅発性細胞死が生じる。しかし、preconditioningとして3分間の非致死的虚血を負荷し、48時間後に5分間の致死的虚血を負荷すると虚血に対する耐性が獲得され、約85%のCA1神経細胞が保護される。現在、本学環境遺伝医学講座との共同研究のもと、サンプルのアレイ解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
網羅的エピゲノムアレイ解析に時間を要し、まとまった研究結果がいまだ得られていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きラット虚血耐性モデルサンプルでの網羅的エピゲノムアレイ解析を行う。アレイ解析で得られた結果は、バイサルファイトシーケンシング法などの他の解析手法でも確認する予定である。これら解析によりエピジェネティックな発現制御が予想された遺伝子に関しては、RT-PCR法を用い、実際の遺伝子発現変化を解析する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アレイ解析の進行が遅れたため、本年度の研究費の一部を次年度に使用する予定である。研究費は、動物購入管理費、アレイ解析費用、PCRのprimer購入などに使用する予定である。
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