2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592100
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
永山 哲也 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (40336334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 篤郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60183969)
神戸 悠輝 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60549913)
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Keywords | 血液脳関門 / C型ナトリウム利尿ペプチド / zonula occludens-1 / JunD / ドラッグデリバリーシステム |
Research Abstract |
研究代表者は昨年度までに, in vivoとin vitroの血液脳関門モデルを用いて, C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は血液脳関門透過性を亢進する事を報告してきた. 今年度は, その細胞内メカニズムを詳細に解明することを目的とした. 転写調節因子JunDはAP-1ファミリーに属し, cGMPの下流においてタイトジャンクションを形成するタンパク質の1つであるzonula occludens-1 (ZO-1)の発現量を選択的に減少させることが知られている. 研究代表者のin vitro血液脳関門モデルにおいても, 細胞内cGMP濃度を調節するCNPは選択的にZO-1の発現を減少させることから, JunDに焦点をあて解析を行った. CNPはin vitro血液脳関門透過性の指標である, 経上皮電気抵抗(TEER)の値を減少させるが, このTEERの減少はJunDに対するsiRNAのトランスフェクションによってキャンセルされた. さらに, JunDに対するsiRNAのトランスフェクションは, CNPによって減少するZO-1タンパク質の発現減少も抑制した. 以上のことから, CNPによる血液脳関門の透過性亢進は転写制御因子JunDを介していると考えられる. CNPは血液脳関門の透過性を亢進するが, この透過性亢進は分子量依存的であり, 低分子量の化合物に特異的であることに特徴がある. 臨床で使用される多くの化合物は低分子量の化合物であり, CNPはこれらの分子の血液脳関門透過性を亢進する事ができるが, 副作用を惹起する可能性がある血中アルブミンの透過性には著変を与えないと考えられることから, CNPとその下流分子であるJunDは脳を標的としたドラッグデリバリーシステムを開発する上で重要なターゲットであると推察される.
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