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2012 Fiscal Year Research-status Report

経頭蓋磁気刺激による皮質拡延性抑制の誘導と非侵襲的な脳虚血耐性の獲得

Research Project

Project/Area Number 23592105
Research InstitutionSaitama Medical University

Principal Investigator

小林 正人  埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60245511)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 堀口 崇  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70245520)
Keywords脳虚血耐性 / 経頭蓋磁気刺激 / spreading depression
Research Abstract

前年度に引き続き、実験はratを用いた動物実験を主に行なった。連続経頭蓋磁気刺激(rTMS)には動物用のコイルを使用し、全身麻酔下に刺激条件を変化させ、spreading depression (SD)を導出する条件を探索した。
吸入麻酔で麻酔導入後、全身麻酔下に脳波を記録しつつ、動物用のコイルを使用してrTMSの刺激条件(刺激強度、頻度、回数)を変化させて行った。磁気刺激前後の脳波の変化を記録し、SDを誘導する条件を探索した。誘導条件は、①連続二連発刺激、②連続4連発刺激、③50 Hzで3連発刺激を与えるtrainを5 Hzで繰り返すtheta burstを用いて刺激を行った。また、それぞれの群において、刺激後に0.5mol KCl溶液を脳表に滴下してSDを誘発し、SDの増強の有無も検討した。最も強力にSDを誘発しうる刺激は③theta burstと考えられたが、有意な差は認めていない。
また刺激4日目に塞栓糸法による2時間の脳虚血負荷を与え、脳虚血による脳の障害の程度を対照群と比較し、磁気刺激の虚血に対する保護作用を明らかにするべく実験を進めている。すなわち、虚血負荷後4日後に、ペントバルビタール(100 mg/kg, i.p.)により安楽死後、迅速に脳を摘出し、梗塞体積を測定して虚血耐性効果を各群間で比較している。現在のところ、連続刺激を用い短時間により多くのpulseを与えることがSD導出に有利に働く可能性が示唆された。
吸入麻酔薬は大脳皮質の活動を抑制するので、腹腔内投与麻酔薬(ペントバルビタールの腹腔内投与)に変更することによって、大脳皮質の活動・興奮性が上昇し、SDを導出しやすくなることを予想し、腹腔内投与を用いて実験を進めたが、SDを誘発しやすいものの、potassium channelを抑制し虚血耐性がされない可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

数年前、研究代表者の所属が移動となったため、研究分担者と以前の所属にて実験を続けつつ、新たな所属場所での研究を開始した。昨年度まで同施設での実験器具の入手や調整などの準備に予想以上に時間を要したため、研究がやや遅れ気味であった。一方、新たなデバイスが予想通りの効果を生じ、皮質拡延性抑制をより高確率で生じさせる可能性を認めた。また、虚血耐性を確認するためにより良い条件(麻酔法)を確認できた。

Strategy for Future Research Activity

前年度に引き続き、実験はratを用いた動物実験を行う。連続経頭蓋磁気刺激には動物用のコイルを使用し、全身麻酔下に刺激条件を変化させ、spreading depression (SD)を導出する条件を探索する。昨年度来、50Hzで3連発刺激を与えるtrainを5Hzで繰り返すtheta burstや連続4連発刺激など特殊な刺激法が可能となるデバイスを入手し、これらを用いて効果が期待できるより強力な刺激を行ってきたがこれを今後も続ける。吸入麻酔薬は大脳皮質の活動を抑制するので、バルビツレート系麻酔薬の腹腔内投与による麻酔法でも検討を続ける。また、KClなど化学刺激を用いてSDを延長・増強しうる条件も検討してきたが、その際、バルビツレート系の麻酔薬では電気刺激によるSDを誘発しやすいものの、potassium channelを抑制し虚血耐性がされない可能性が示唆されたので、虚血耐性の検討の際には吸入麻酔薬を低濃度で用いて行う必要があると考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

主に動物実験の薬品、実験機器、消耗品のために使用する。また、最終年度でありこれまでの成果を発表し、また他の研究者の意見を伺うため学会に出席するあるいは論文を執筆する予定であり、これらに関わる出費に対処するためにも使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Speech-induced modulation of interhemispheric inhibition2012

    • Author(s)
      Tadashige Kano, Masahito Kobayashi, Takayuki Ohira, Kazunari Yoshida
    • Journal Title

      Neuroscience Letters

      Volume: 531 Pages: 86-90

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2012.10.027

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Repetitive transcranial magnetic stimulation once a week induces sustainable long-term relief of post-stroke central pain2013

    • Author(s)
      Masahito Kobayashi
    • Organizer
      Internationa stroke conference
    • Place of Presentation
      Hawaii, USA
    • Year and Date
      20130205-20130208
  • [Presentation] 経頭蓋磁気刺激による脳卒中後難治性疼痛に対する治療の試み2012

    • Author(s)
      小林正人
    • Organizer
      第37回脳卒中学会総会
    • Place of Presentation
      福岡
    • Year and Date
      20120427-20120428

URL: 

Published: 2014-07-24  

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