2011 Fiscal Year Research-status Report
次世代高速シーケンサーを用いたエクソーム塩基配列決定による家族性もやもや病の解析
Project/Area Number |
23592109
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
恩田 英明 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60185692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糟谷 英俊 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50169455)
赤川 浩之 東京女子医科大学, 医学部, テニュアトラック准教授 (60398807)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | もやもや病 / 遺伝解析 / 高速シーケンサー |
Research Abstract |
我々が交付申請を行った後、もやもや病遺伝解析研究に重要な進展があった。つまり、2011年1月にゲノムワイド関連解析により、2011年7月にエクソーム塩基配列解析により、第17番染色体長腕 (17q25.3) に存在するRNF213遺伝子変異がもやもや病の原因であると報告された。特に後者の報告は、我々が立案していた次世代高速シーケンサーを用いた全ゲノムエクソン配列解析法と同じ解析方法であったため、研究方法の再検討・大幅な変更が必要となった。 一方、もやもや病とコントロールサンプルのDNA収集は順調に進み、現在、もやもや病102例(その内家族歴あり17例)、コントロール129例のDNAが解析可能となった。そこで先ず、報告されたRNF213遺伝子変異の追試実験を行った。その結果、我々のサンプルでももやもや病症例の実に3分の2で報告されたRNF213遺伝子変異を認め、コントロールの約1%の頻度と比べ、オッズ比70.7、p値3.4×10-26の極めて効果の高い関連が認められた。但し、報告されたRNF213遺伝子変異はアミノ酸置換を生じるものの、もやもや病発症に関するその機能的メカニズムは不明で、真の原因遺伝子変異と連鎖不平衡にある単なるマーカー変異の可能性もある。そこで、報告されたRNF213遺伝子変異をホモで持つ5サンプルで、次世代高速シーケンサーを用いて、この遺伝子近傍の約1.5Mbを対象としたターゲットリシーケンスを行い、RNF213遺伝子変異近傍の遺伝子構造を詳細に検討することとした。現在、ターゲット領域のDNAキャプチャーしシーケンス・解析作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
我々が交付申請を行った後、もやもや病遺伝解析研究に重要な進展があり、当初立案した研究計画の再検討・変更を要したため、研究目的の達成度にやや遅れを生じている。但し、もやもや病、コントロールサンプルのDNA収集は順調で、もやもや病の遺伝解析研究の進展を踏まえ研究は遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
報告されたRNF213遺伝子変異をホモで持つサンプルを用いて、この遺伝子近傍の約1.5Mbを対象としたターゲットリシーケンスを行い、RNF213遺伝子変異近傍の遺伝子構造を詳細に検討し、もやもや病発症の真の原因遺伝子変異がないかを調べる。現在、ターゲット領域のDNAキャプチャー、リシーケンス・解析作業を行っている。また、日本人およびコーカシアンもやもや病症例でRNF213遺伝子のすべてのエクソンのシーケンスを行い、この遺伝子に変異を持たない症例を選定し、RNF213遺伝子以外の原因遺伝子同定を目的に全ゲノムエクソン配列解析法を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
RNF213遺伝子のすべてのエクソンのシーケンスや全ゲノムエクソン配列解析法のための消耗品・委託料などに研究費を使用する予定である。
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