2012 Fiscal Year Research-status Report
次世代高速シーケンサーを用いたエクソーム塩基配列決定による家族性もやもや病の解析
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23592109
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
恩田 英明 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60185692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糟谷 英俊 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50169455)
赤川 浩之 東京女子医科大学, 医学部, テニュアトラック准教授 (60398807)
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Keywords | もやもや病 / 遺伝解析 / 高速シーケンサー |
Research Abstract |
最近の複数の論文でもやもや病と強い関連が報告されたRNF213遺伝子変異p.R4810K (rs112735431) の追試を行い、我々のサンプルでも強い関連が確認された。この変異はアルギニンがリジンに代わる変異だが、ともに塩基性アミノ酸でPolyPhen2, SIFTなどのアミノ酸置換の障害度に基づく予測プログラムや、phastCons, PhyloPなどの塩基の保存度に基づく予測プログラムで機能的に重要な変異ではないと予想された。p.R4810K変異と連鎖不平衡にある機能的意義が明瞭な遺伝子変異を探すために、この変異のホモ接合のもやもや病5サンプルとこの変異を持たないコントロール1サンプルを対象に詳細なシーケンスを行った。具体的にはアジレント・テクノロジー社のSureSelectターゲットエンリッチメントシステムを用いてp.R4810K変異を中心に約1.5Mbをカバーする連鎖領域を濃縮し、ライフテクノロジー社の次世代シーケンサーSOLiD systemによる高速ターゲットリシーケンスを行った。 コントロール1例は陰性でもやもや病5例中3例以上は陽性、1例以上でホモとコールされ、一定以上のquality (novel allele mean QVが20以上)、1000人ゲノムでアレル頻度2%未満の条件を満たす変異を16個同定した。サンガー法によるvalidationを行い、16個中15個の変異が確定され、これらの変異について、もやもや病発端者102例とコントロール144例を対象に関連解析を行った。p.R4810K変異と極めて強い連鎖不平衡にある変異を複数同定したが、統計上p.R4810K変異より強い変異はなかった。現在、フィルターリングの条件を下げ、さらに多くの変異についてvalidationの作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時予定していたエクソームシーケンスによる解析については、交付申請後に同様の方法による論文発表があったため、研究計画をターゲットリシーケンスによる解析方法に変更した。現在、その結果が得られ概ね予定通りの達成度と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ターゲットリシーケンスで得られたデータのフィルターリングの条件を下げ、さらに多くの変異についてvalidationを行い、確定されたものについては関連解析を行う予定である。p.R4810K変異陰性22例を対象にRNF213遺伝子のすべてのエクソンを中心としたサンガー法によるシーケンスを行い、p.R4810K変異以外のRNF213遺伝子変異の検索も同時進行中である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
サンガー法によるシーケンスの消耗品に主に研究費を使用する予定である。最終年度のためデータ解析、論文作成に必要な経費も使用の予定である。
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