2011 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中バイオマーカー(miRNA,oxLDL,LOX-1,sRAGE)の検証
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23592110
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
横田 千晶 独立行政法人国立循環器病研究センター, 脳血管内科, 医長 (80300979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久保 喜弘 独立行政法人国立循環器病研究センター, 予防健診部, 医長 (20393217)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | sRAGE / esRAGE / LOX-1 / ペントシジン / 急性期脳卒中 / ケース・コントロール研究 / バイオマーカー |
Research Abstract |
1.発症3日以内の急性期脳卒中381例(男227例、平均72歳)のsRAGE、esRAGEを測定した。脳梗塞、TIA、脳出血は、247、39、95例で、sRAGE/esRAGEの中央値は891/250、853/270、728/200pg/ml。sRAGEは、単変量解析では、年齢、喫煙習慣、body mass index (BMI)、心房細動(AF)、推算糸球体濾過率(eGFR)、入院時NIHSS、多変量解析では、sRAGE 低値がeGFR 正常(≧90ml/min/1.73m2)とのみ関連 (OR;2.81,95%CI;1.62-4.87)した。esRAGEは、単変量解析では年齢、喫煙習慣、BMI、AF、脳出血、入院時拡張期血圧値、HDLコレステロール、eGFR、多変量解析では、esRAGE低値と喫煙習慣あり(1.39,1.03-1.88)、低いAF合併率 (0.43,0.23-0.81)、拡張期血圧高値(1.02,1.001-1.03)、eGFR正常(2.01,1.17-3.64)と関連した。sRAGE低値よりもむしろesRAGE低値が、動脈硬化のマーカーとなる可能性がある。2.発症3日以内の急性期脳梗塞連続420例(男257例,平均74歳)(ケース)と吹田コホートより1004例(430例,62歳)(コントロール)のsLOX-1を測定した。sLOX-1値の中央値はケース群で527ng/L ,コントロール群で 481ng/L。sLOX-1四分位比較より、脳梗塞発症オッズ比は性、年齢、BMI、飲酒、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症で補正後、全脳梗塞1.72 (CI; 1.10-2.69, p=0.015) であった。sLOX-1高値は独立して脳梗塞発症と関連した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究として1)急性期脳卒中患者(発症7日以内)連続300例 の入院時oxLDL、LOX-1,sRAGE測定、2)急性期脳卒中患者の血中miRNA、oxLDL、LOX-1、sRAGE濃度の発症後の経時的測定、を計画していた。 1)に関して、複数回の測定の結果(沢村達也担当)、oxLDL値が検体保存の条件等により、測定値が安定しないことが判明した。今後、安定したoxLDL測定手法が確立されるまでは、oxLDLの解析は行わず、可溶型LOX-1の解析を進める。 2)に関し、急性期脳卒中患者の経時的な採血検体収集はすでに終了した。現在、血中LOX-1、sRAGE濃度の測定・解析を進めている。経時的検体でのoxLDL解析は、先に挙げた理由より行っていない。 本年度は更に、最終年度に予定していた心血管疾患・死亡非発生例の対照群と脳梗塞患者との間で病型別にLOX-1値の比較検討も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していたmiRNA研究に関し、連携研究者佐藤和明の突然の研究組織脱退により研究遂行が不可能となった。やむなく本研究課題よりmiRNA研究は中止となった。今後はmiRNAに代わり、advanced glycation endproductsのひとつであるpentosidineの測定を開始し、脳卒中再発予後との関連につき解析する。sRAGE,esRAGE,petosidineの3者の関連についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
sRAGE,esRAGE,petosidine、LOX-1の測定費、及び測定に必要な消耗品の購入(35万円)、研究推進に必要な情報収集費、研究成果発表に関わる費用(55万円)、論文作成(英文校閲、別刷り代)費(20万円)に充てる予定である。
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