2013 Fiscal Year Annual Research Report
上行性感覚信号賦括によるヒト随意運動神経回路網機能再建についての研究
Project/Area Number |
23592112
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
平戸 政史 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00173245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 克成 群馬大学, 医学部, 助教 (10312886)
宮城島 孝昭 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40625365)
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Keywords | 機能脳神経外科学 / 機能再建外科治療 / 上行性感覚信号 / 随意運動神経回路網 / 定位脳手術 / 微小電極法 / 運動異常症 / 脳血管障害後中枢性疼痛 |
Research Abstract |
本態性振戦例4例(視床運動感覚核凝固術)、パーキンソン病寡動例7例(視床下核刺激術)、及びジストニア例1例(淡蒼球内節刺激術)において、術中、微小電極法により脳深部構造(視床、視床下核、淡蒼球)での自発神経活動のlocal field potential(LFP)を記録し、さらに、同深部構造内の任意の点において脳深部構造電気刺激時の自発神経活動(LFP)を記録した。又、術前後でPET (FDG) studyを行い、脳深部構造刺激時に随意運動神経回路網に生ずる局所糖代謝変化を解析した。そして、これまで脳深部構造(視床、視床下核)での自発神経活動local field potential(LFP)を記録した本態性振戦例、パーキンソン病振戦例、寡動例、脳血管障害後中枢性疼痛例において自発神経活動の周波数帯域別解析を試み、さらに、これらの症例で術前後に行ったPET (FDG) study記録より、視床刺激時随意運動神経回路網に生ずる局所糖代謝変化の解析を試みた。本態性振戦視床運動感覚核凝固術例において、術中の視床の電気生理学的解析、手術後の症状解析により、手術巣の部位、大きさのわずかな差が大きく症状の出現、変化に関与するとともに、術後1年以上経過すると症状にほぼ変化が認められないことが明らかとなった。又、脳血管障害後中枢性疼痛例では、視床腹外側部軽-中等度障害例で視床感覚核機能異常、視床病変周囲でburst放電頻発を認め、重度障害例では外側感覚核機能が失われても内側視床髄板内核部の機能は保存され、時に亢進が認められた。すなわち、病変の位置、大きさのわずかな違いによって病態が大きく異なることが明らかとなった。以上、症例個々の脳内病態によって上行性感覚信号は大きく変化し、上行性感覚信号賦括による機能再建を考える場合、個々の症例ごとの詳細な病態把握が重要であることが示唆された。
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