2014 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病モデルにおける前頭葉基底核慢性刺激による学習記憶能力改善の試み
Project/Area Number |
23592114
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辛 正廣 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70302726)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 脳神経疾患 / 神経科学 / 痴呆 / 臨床 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢なWistarラット(雄、生後29-31ヶ月程度、350-450g程度)を使用し、Water Mazeを用い、学習認知機能評価を行った。Water Mazeを用いることで、十分に評価が可能であった。また、高齢Wistarラットを用い、ラットの脳アトラスに基づいた定位的な手術手技により、アミロイドβ-42 oligomerを1μg/μlの濃度とし、0.1μl/分の速度で各々、大脳皮質とマイネルト基底核内の2箇所、0.5μlずつ、計4箇所に注入し、Control群(手術なし、注入なし)、Sham群(手術あり、注入なし)、Aβ群(手術あり、注入あり)に分けて、手術前、手術後1週間以降から週に1回、継続してWater Mazeを行い、学習記憶機能に関する評価を行った。 注入より、2週間後と3週間後に、夫々、Control群、Sham群、Aβ群を安楽死させ、ラットを還流固定した後に、脳を摘出した。免疫染色を行い、アルツハイマー病に特有のコリン作動性神経細胞や神経線維の脱落について検討を行なった。 その結果、アミロイドβ-42 oligomerの注入を行った群では、注入を行わない2群に比べ、Water Mazeを用いた、認知機能評価では、有意に学習機能の低下がみられる傾向にあった。しかしながら、組織学的にも、マイネルト基底核内でのコリン作動性ニューロンの脱落について、アミロイドβ-42 oligomer注入群で、脱落傾向を認めたものの有意差は認められなかった。 慢性刺激電極については、様々な試行錯誤を行ったが、マイネルト基底核内に安定して固定することが困難であり、さらなる検討を要した。
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