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2012 Fiscal Year Research-status Report

ノックアウト・エクスプレッション法を用いた新しいグリオーマモデルマウスの作出

Research Project

Project/Area Number 23592115
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

薄井 宏  新潟大学, 脳研究所, その他 (20192510)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 崎村 建司  新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
鷲山 和雄  新潟大学, 脳研究所, 准教授 (00183715)
Keywords脳腫瘍 / モデルマウス / 癌抑制遺伝子 / 細胞選択的機能破壊 / コンディシィショナルノックアウト
Research Abstract

TP53遺伝子が全身で欠失しNf1遺伝子が細胞選択的に欠損するマウスを作製するために、これまでに作製したTP53-null/Nf1-floxマウスを、3種類のCre発現マウス(Nestin-Creマウス、GFAP-Creマウス、NG2-Creマウス)と交配して、得られたマウスを解析した。その結果、(1) Nestin-Creマウスと交配した場合には、ホモのマウスは胎生致死であり、ヘテロマウスもほとんどが9ヶ月齢までに死亡した。脳腫瘍はヘテロマウスの34%(11/32)に認められた。(2) GFAP-Creマウスと交配した場合には、ホモのマウスは5ヶ月例までに全例が死亡し、60%(3/5)に脳腫瘍が認められた。一方、ヘテロのマウスは全例が14ヶ月例までに死亡し、58%(14/24)で脳腫瘍が認められた。生じた脳腫瘍の組織像は、(1)(2)の場合共に、Anaplastic astrocytoma、Oligodendroglioma、PNET(primitive neuroectodermal tumor)など、多彩であった。(3) NG2-Creマウスと交配した場合は、ホモのマウスは胎生致死であり、ヘテロマウスはほとんどが9ヶ月齢までに死亡した。脳腫瘍の発生頻度と組織像については、現在解析中である。
また、TP53遺伝子が全身で欠失しPTEN遺伝子が細胞選択的に欠損するマウスを作製するために、TP53-KO/GFAP-CreベクターとPTEN-floxベクターを作製し、相同組換えES細胞を選択して、マウス初期胚へのインジェクションによりキメラマウスを作製した。しかし、germinal transmissionの効率が悪くF1マウスが得られなかったために、ES細胞を取り直して再度F1マウスの作製に取り組んでいる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

TP53-null/Nf1-floxマウスを、Nestin-CreマウスまたはGFAP-Creマウスと交配し、TP53遺伝子が全身で欠失しNf1遺伝子が細胞選択的に(Nestin陽性細胞またはGFAP陽性細胞で)欠損するマウスを作製して、解析した。得られたマウスでは、高率(34~60%)に脳腫瘍が発生していた。TP53-null/Nf1-floxマウスをNG2-Creマウスと交配して、NG2陽性細胞選択的にNf1遺伝子を欠損させた場合の脳腫瘍の形成率と組織像については、現在解析中であるが、有望であるという予備的な結果を得ている。したがって、癌抑制遺伝子を細胞選択的に破壊する手法が、脳腫瘍モデルマウスの作製に有用であることを確認することができた。
また、TP53遺伝子が全身で欠失しPTEN遺伝子が細胞選択的に欠損するマウスを作製するために必要なTP53-KO/GFAP-Cre、PTEN-floxのキメラマウスを得ることができた。したがって、機能破壊される癌抑制遺伝子の組み合わせが異なるマウスの作製に向けての準備が進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

TP53-null/Nf1-floxマウスとNG2-Creマウスの交配により、TP53遺伝子が全身で欠失しNf1遺伝子がNG2陽性細胞選択的に欠損するマウスが得られるので、解析を前年度に引き続いて行なう。そして、脳腫瘍が形成される頻度と組織像を明らかにして、脳腫瘍モデルマウスとしての有用性を検討する。また、前年度までにNestin-Cre、GFAP-Creマウスを用いた場合の結果が出ているので、Cre発現細胞(=Nf1遺伝子の機能破壊が起こる細胞)と発生する脳腫瘍の組織像との相関について注意深く解析する。
さらに、TP53-KO/GFAP-Creマウス、PTEN-floxマウスのF1マウス作製を前年度に引き続いて行なう。そして、TP53遺伝子が全身で欠失しPTEN遺伝子がGFAP陽性細胞選択的に欠損するマウスを作製し、解析を行なう。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度に必要な研究費は、TP53欠失:Nf1細胞選択的欠損マウスの作製に関しては、マウスの飼育費と、発生した脳腫瘍を解析するための病理組織解析経費である。
また、TP53欠失:PTEN細胞選択的欠損マウスの作製に関しては、新たにスクリーニングして得られた相同組換えES細胞を、マウス初期胚にインジェクションするための経費と、マウスの飼育費が必要になる。
従って、必要なのは主に物品費であるが、学会発表のための旅費にも使用したい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Cav2.1 in Cerebellar Purkinje Cells Regulates Competitive Excitatory Synaptic Wiring, Cell Survival, and Cerebellar Biochemical Compartmentalization2012

    • Author(s)
      Taisuke Miyazaki, Miwako Yamasaki, Kouichi Hashimoto, Maya Yamazaki, Manabu Abe, Hiroshi Usui, Masanobu Kano, Kenji Sakimura, and Masahiko Watanabe
    • Journal Title

      The Journal of Neuroscience

      Volume: 32(4) Pages: 1311-1377

    • DOI

      10.1523/JNEUROSCI.2755-11.2012.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 実験的マウス脳腫瘍の発生母細胞:免疫染色による解析2012

    • Author(s)
      熊西敏郎、丸山暁、竹内幸美、薄井宏、鷲山和雄
    • Organizer
      日本脳腫瘍病理学会
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      20120524-20120526

URL: 

Published: 2014-07-24  

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