2014 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウト・エクスプレッション法を用いた新しいグリオーマモデルマウスの作出
Project/Area Number |
23592115
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
薄井 宏 新潟大学, 脳研究所, 非常勤講師 (20192510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
鷲山 和雄 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (00183715)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / モデルマウス / 癌抑制遺伝子 / 細胞選択的機能破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳腫瘍モデルマウスを作製するために、Trp53遺伝子が全身で欠失しNf1遺伝子が脳内細胞選択的に欠損するマウスを作製した。そのために、Trp53-null/Nf1-floxマウスと3種類の組み換え酵素Creを発現するマウス(GFAP-Cre、Nestin-Cre、及びNG2-Creマウス)とを交配し、解析を行った。(1)神経幹細胞選択的にCreを発現するNestin-Creマウスを用いた場合、ホモのマウスは胎生致死であり、ヘテロのマウスはほとんどが9ヵ月齢までに死亡し、その34%(11/36)に脳腫瘍が発生した。生じた脳腫瘍の組織像は、Anaplastic astrocytoma、Oligodendroglioama、PNET(Primitive Neuroectodermal Tumor)に相当していた。(2)アストログリア細胞選択的にCreを発現するGFAP-Creマウスを用いた場合には、ホモのマウスは5ヵ月齢までに全例が死亡し、60%(3/5)に脳腫瘍が認められた。また、ヘテロのマウスは全例が14ヵ月までに死亡し、58%(14/24)で脳腫瘍が認められた。発生した脳腫瘍の組織像は、Nestin-Creマウスを用いた時に認められた3種類の組織型以外に、NeurocytomaやChloid Plexus Palpillomaも認められ、多様であった。(3)NG2グリア細胞選択的にCreを発現するNG2-Creマウスを用いた場合には、ホモのマウスは胎生致死であり、ヘテロのマウスはほとんどが9ヶ月例までに死亡して89%(32/36)という高率で脳腫瘍の発生が認められた。また、その組織像はOligodendrogliomaの組織型が多いという特徴があった。本研究を通して、癌抑制遺伝子を脳内細胞選択的に欠失させることで、優れた脳腫瘍のモデルマウスを作製できることが示された。
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