2011 Fiscal Year Research-status Report
悪性グリオーマにおけるARF-BP1抑制効果の基礎的研究
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23592116
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鷲山 和雄 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (00183715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薄井 宏 新潟大学, 脳研究所, 助教 (20192510)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / グリオーマ / 培養細胞 / ARF―BP1 |
Research Abstract |
研究計画に従い、先ず、正常及び非腫瘍性の病態におけるARF―BP1の発現状況を、免疫組織化学法ならびにウェスタンブロット法により、半定量的に検索した。その結果、正常ヒト大脳のグリア細胞では核内に微量なレベルのARF―BP1の存在を確認できた。神経細胞では、大部分の細胞ではARF―BP1を殆ど検出できなかったが、一部の神経細胞の核内で、グリア細胞のレベル以下もしくはグリア細胞のレベル以上のARF―BP1の存在を確認できた。反応性グリア細胞におけるARF―BP1については、虚血後比較的早期の摘出脳組織を対象に検索したところ、正常グリア細胞に認められる以上のARF―BP1をグリア細胞に確認できた。核内だけでなく細胞質内にも確認できた。 株化グリオーマ細胞株12株を対象に、免疫組織化学法ならびにウェスタンブロット法によりARF―BP1の発現状況を検索した結果、全ての培養細胞株にARF―BP1の存在を確認できた。核内に存在する場合や、細胞質内に存在する場合など、発現場所や発現レベルは多様であった。P53遺伝子変異や欠失とARF―BP1発現レベルは直接相関せず、MDM2増幅とも直接的に相関しなかった。また、併せて実施したサザンブロット法による検索では、細胞株にARF―BP1遺伝子コピー数の変化を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必ずしも予測どおりの実験結果ではないが、研究そのものは、おおむね研究計画どおりに推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の順序を若干変更し、先ず放射線照射に伴うARF―BP1発現状況の変化ならびに、MDM2を含むP53関連遺伝子の発現の相互作用について解析を進めたい。その上でARF―BP1ノックダウンにともなう細胞増殖への影響を解析したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画に沿って使用してゆきたい。
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