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2012 Fiscal Year Research-status Report

ホウ素結合標的アデノウイルスベクターを用いた中性子捕捉療法の開発

Research Project

Project/Area Number 23592126
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

濱 聖司  広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 研究員 (40397980)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 栗栖 薫  広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70201473)
星 正治  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 名誉教授 (50099090)
西本 武史  広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (40450580)
Keywords悪性グリオーマ / 中性子捕捉療法 / アデノウイルスベクター / ホウ素 / 放射線療法 / ICP / 電子顕微鏡
Research Abstract

悪性グリオーマは手術、放射線、化学療法などの集学的治療にも抵抗性で、予後不良である。血管脳関門の為に抗がん剤は腫瘍細胞まで到達しづらい。また、一般的な放射線照射では、正常細胞への放射線障害が問題である。これらを克服する為に、我々は、悪性グリオーマに対するホウ素中性子捕捉療法の開発実験を継続して行った。平成23年度はアデノウイルス表面に抗原ー抗体反応を利用して結合させる実験を行ったが、上手くいかなかった。そこで、今回は、ウイルスの表面にある遊離の-NH2(アミノ基)、-CO2H(カルボキシル)基、チオール基などに着目し、これらをホウ素クラスターで化学修飾してホウ素キャリヤーとする手法なども試みた。酸性条件の方が結合しやすい為、アデノウイルスが耐えられるpH条件を求め(おおむねpH5程度までは活性があることを確認)、ホウ素化合物との結合を試み、その後、ICP-AESにてアデノウイルス、ならびに感染細胞内のホウ素濃度を測定した。現時点では有効な細胞内ホウ素濃度が得られていない為、反応条件の調整を行うと共に、ICP-MASによって、微量なホウ素濃度の測定も進め、ホウ素濃度が上手く測定できない原因の検索と、ホウ素の有効な導入方法の検討を行っている。同時に、細胞内に感染したアデノウイルスベクターの動向を検討するため、細胞に感染したアデノウイルスベクターを直接、電子顕微鏡で観測する為の条件設定を行った。条件設定を繰り返し、アデノウイルスベクターにも標識を行って、何とか細胞内に感染したアデノウイルスベクターを同定することができた。
中性子捕捉療法にはガンマ線の影響も考えなければならない。その為、ガンマ線照射による生物学的な影響についても、様々な角度から検討を続けている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

アデノウイルスベクターにホウ素化合物を結合させる実験を進めているが、結合させたホウ素化合物の量が、想定よりも少ない結果が得られている為、その原因の検索を進めている。しかし、電子顕微鏡による細胞内のアデノウイルスベクターの観察条件の設定やアデノウイルスベクターの至適反応条件は少しずつ明らかとなっていることから、実験は少しずつ進んでいる状況であり、(3)やや遅れている、の状況とした。

Strategy for Future Research Activity

ウイルスの表面にある遊離の-NH2(アミノ基)、-CO2H(カルボキシル)基、-チオール基化学修飾してホウ素化合物を結合させる為の至適な条件設定を続けていく。その為に、アデノウイルスベクターにホウ素化合物を結合させて悪性グリオーマ培養細胞に感染させた後のホウ素濃度を、ICP-MASを利用して今まで以上に精密に測定する。そして、結合条件の違いによるホウ素濃度の変化を確認して、至適な条件を求めていく。
また、特定の細胞のみに標的リガンドで感染する標的アデノウイルスベクターが開発され、国立がんセンター研究所宿主免疫研究室では、様々なリガンド配列のペプチドを組み込んだものをキャプシド蛋白質改変アデノウイルスライブラリーとして作成し、腫瘍細胞に特異的に感染したものを回収した。このシステムを利用し、悪性グリオーマであるU138MGを標的とするアデノウイルスベクターが同定できている。本年度は、U138MG細胞とその標的アデノウイルスベクターは広島大学脳神経外科内で使用する準備を進める。この標的アデノウイルスベクターが、抗原抗体反応などの修飾を受けた後の感染効率の変化があるかどうか、についても確認し、至適なホウ素化合物の結合方法を検討していく。
また、中性子照射時には中性子以外にガンマ線も含まれることから、中性子による生物学的影響を考慮する場合は、ガンマ線の影響も考慮される必要がある。そこで、ガンマ線を用いた放射線生物学的な影響評価も行っていく。
そして、悪性グリオーマ細胞の中で、腫瘍幹細胞は放射線感受性を下げる一因になっていると考えられているので、この腫瘍幹細胞の同定方法についても行う予定とする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

ホウ素化合物をアデノウイルスに結合させる手法を開発するための試薬・備品の購入を予定する。また、アデノウイルスベクターの感染効率を確認すること、電子顕微鏡検査に関わる費用、放射線照射に関わる費用、そして、腫瘍幹細胞の同定などに必要な試薬・備品に関わる費用も計上する予定である。更に、超遠心を用いたアデノウイルスベクターの濃縮・精製が必要であり、その為の費用も計上する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 悪性グリオーマにおけるp16遺伝子導入による核異常と中心体過剰複製との関連性の検討

    • Author(s)
      高安武志、濱聖司、栗栖薫他
    • Organizer
      日本脳神経外科学会第71回学術総会
    • Place of Presentation
      大阪国際会議場
  • [Presentation] 悪性グリオーマにおけるp16遺伝子導入による核異常と中心体過剰複製との関連性の検討

    • Author(s)
      高安武志、濱聖司、栗栖薫他
    • Organizer
      第30回日本脳腫瘍学会学術集会
    • Place of Presentation
      グランドプリンスホテル広島
  • [Presentation] Plastic ependymoma様の伸展を示した後頭蓋窩atypical teratoid/rhabdoid tumorの1例

    • Author(s)
      高安武志、栗栖薫他
    • Organizer
      第30回日本脳腫瘍病理学会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場

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Published: 2014-07-24  

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