2014 Fiscal Year Annual Research Report
ホウ素結合標的アデノウイルスベクターを用いた中性子捕捉療法の開発
Project/Area Number |
23592126
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
濱 聖司 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 研究員 (40397980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗栖 薫 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70201473)
星 正治 広島大学, 平和科学研究センター, 名誉教授 (50099090)
西本 武史 広島大学, 学内共同利用施設等, その他 (40450580) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 悪性グリオーマ / 中性子捕捉療法 / アデノウイルスベクター / ホウ素 / 放射線療法 / ICP / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性グリオーマに対する選択的放射線治療法であるホウ素中性子捕捉療法の基礎的検討を続けている。本研究課題で、我々はアデノウイルスベクターの表面にホウ素化合物を結合させた状態で、培養細胞に感染させ、その後、感染細胞内にホウ素化合物の結合したアデノウイルスベクターが存在するかどうか、の検討を進めている。今まで、金コロイド粒子をアデノウイルスベクター表面に結合させ、銀増感で細胞内に金コロイド粒子が取り込まれていることは明らかにできている。しかし、現在あるホウ素化合物をアデノウイルスベクター表面に結合させる手法で、培養細胞内にホウ素化合物結合アデノウイルスベクターが取り込まれていることは証明できていない。その為、本年度は電子顕微鏡下にて原子レベルで細胞内にホウ素化合物が取り込まれている手法の確立を目指した。本年度は電子顕微鏡による測定が可能かどうか、についての条件設定を行った。その結果、金コロイドは得られるスペクトルが複雑になって、局所的な同定が困難となる可能性が示唆された反面、ホウ素化合物については、ホウ素を示す単一のスペクトルが得られ、細胞内に導入されたホウ素化合物付アデノウイルスベクターの同定に有用である可能性が示唆された。現在、新たなホウ素化合物の調整に手間取っているが、合成ができつつあり、今後は研究を加速させて行う予定としている。 一方、中性子照射時にはγ線の影響も多いため、その影響も考慮する必要がある。その為、ガンマ線が悪性グリオーマ培養細胞に及ぼす影響についても検討している。その結果、Survivinで確認された中心体過剰複製は、p16遺伝子が発現して引き起こされる細胞周期のG1/S期停止の際でも認められることが判明し、G1/S1期とG2/M期が強く関連して分裂細胞死が引き起こされるという現象を、Survivinとp16遺伝子を使って、初めて明らかにできた。この内容は学術論文として発表した。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] 脈絡乳頭癌の1例2014
Author(s)
高安武志、山崎文之、野坂亮、杉山一彦、栗栖薫
Organizer
第32回日本脳腫瘍病理学会
Place of Presentation
あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)
Year and Date
2014-05-23 – 2014-05-24