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2011 Fiscal Year Research-status Report

Wnt/Frizzled系主要メッセージ経路探索による新しい抗グリオーマ戦略

Research Project

Project/Area Number 23592135
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

平野 宏文  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00264416)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 岸田 昭世  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50274064)
有田 和徳  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90212646)
湯之上 俊二  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20404478)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
KeywordsWnt / Frizzled / Ryk / 悪性グリオーマ / 膠芽腫 / 増殖 / 浸潤 / 生命予後
Research Abstract

本研究の目的は,ガン細胞の増殖/発癌に関するシグナル伝達と細胞の運動(浸潤)に関係するシグナル伝達が互いに関連するWnt, Frizzled(Fz)系のシグナルが,悪性グリオーマにおいてどの様に機能しているか,を検索検討することである.これまでの研究結果,悪性グリオーマにおいて,活性化されているWnt, Fzシグナルを探索したところ,19種類のWntの中,悪性グリオーマにおいては特にWnt-5aの関与が大きいことをin vitro, in vivoで確認した.また10種類のFzの中で特にFz-2, Fz-6の発現上昇を確認した.そこでWnt-5aの下流にあたるFz-2, -6と最近,他部位の癌についてWnt-5aの下流で機能していると報告のあるRykへのシグナル伝達とその役割を検討する事を間近の研究対象としている.現在は,in vitroに於けるセカンドメッセージ以下の動きについては,現在結果をとりまとめる途中であり,細胞の移動能力,周辺部組織への浸潤のための組織マトリックス分解について検討している.一方,悪性グリオーマの代表であるグリオブラストーマの臨床データを利用した評価においては,グリオブラストーマ中の,Wnt-5a ,Fz-2, Fz-6,Rykの発現程度と生命予後の関連を検討した結果,Wnt-5aの発現以上に,Fz-2, Fz-6の発現が,生命予後に対する予後不良因子であるとの結果が得られ,上流のWnt-5a単独発現のみでは,予後不良因子としての影響は小さかった.以上の結果をまとめると,Wnt, Fz系のシグナルは悪性グリオーマにおいて予後不良因子として作用していることが分かったが,他部位の悪性新生物と比べ,悪性グリオーマではRykの影響が小さく,Fz-2, Fz-6の影響が大きいことが示唆されており,その機能的な詳細は,現在結果を分析中である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

19種類のWntの中,悪性グリオーマにおいては特にWnt-5aの関与が大きいことをin vitro, in vivoで確認する作業はおおむねスムーズに完了した. 平成24年度は、細胞の移動能力,周辺部組織への浸潤のための組織マトリックス分解についての検討を重点的に行う. 研究による結果と計画に大きな相違はない.

Strategy for Future Research Activity

引き続き,Wnt系の増殖や浸潤の機能抑制の手段になりえるfactorがあれば,その影響力を検討したい.手技としては,免疫組織化学,細胞培養,細胞分離,ウェスタンブロット,RT-PCR,定量PCR,マイクロアレイなどの手技を用いる.・研究組織は,脳神経外科と生化学の共同研究となる.前年までの研究成果を踏まえ,今後は,下流のセカンドメッセージの具体的な機能と役割を検証する.引き続き,研究材料は脳神経外科から,研究装置は脳神経外科と生化学教室から,研究ノウハウは生化学教室からお互いに補完しあうように供出する. 1. 星細胞腫系腫瘍(astrocytic tumor)であるU251 cell lineやU87 cell line,さらに過去に手術で採取したグリオーマから株化した培養細胞を用いて,Frizzledを含む下流のメッセージの発現状況がどの様なメカニズムで,生命予後に関与しているかに注目していく.2.ターゲットとなるFrizzledがFz-2及びFz-6であることが概ね確認できたので,RNAiでノックダウンし,細胞増殖,アポトーシス耐性,細胞移動能,MMP産生能など,悪性化を表すパラメータについて行っている研究を進める. 3. Wnt-5aのターゲットが他にも予想される場合,その物質のmRNAの発現量がどのように変動するかを定量PCRで確認し,前項2について,同様の検討を加える.4. 研究結果を踏まえ,病態に関与しているWnt-5a/ Fz-2及びFz-6の両方(レセプターとリガンド)をブロックした場合の効果(Wnt/Frizzled系に対するレセプター・リガンド抗体療法)を評価したい.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究における消耗品代として,研究費を使用する.特に,免疫組織学,分子生物学的な試薬,抗体などに使用することになり,予算は妥当なものと考えられる.担当者と使用する研究費の分配は次のようになる.平野:細胞培養(資料の準備),臨床データからの検討,(免疫染色,タンパク発現の確認)のために,培養器具,培地,試薬等に300,000円,論文作成に伴う英文校正代等に100,000円湯之上・有田:ウェスタンブロット(タンパク発現の確認),RT-PCR(mRNAレベル発現の確認)のために,解析用分子生物学的試薬代として200,000円, 学会発表のための出張費として200,000円岸田:細胞培養(資料の準備),定量PCR(mRNAレベル発現の確認)のために,解析用分子生物学的試薬代として200,000円平成24年度は、細胞の移動能力,周辺部組織への浸潤のための組織マトリックス分解についての検討を重点的に行うことになるが、これを行うための抗体・試薬の予算を確保するために、平成23年度の予算は45万ほど繰り越すこととした。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Wnt-5a signaling is correlated with infiltrative activity in human glioma by inducing cellular migration and MMP-22011

    • Author(s)
      Masayuki Kamino, Michiko Kishida, Toshiro Kibe, Kyoko Ikoma, Mikio Iijima, Hirofumi Hirano, Mai Tokudome, Lin Chen, Chihaya Koriyama, Katsushi Yamada, Kazunori Arita and Shosei Kishida
    • Journal Title

      cancer science

      Volume: 10(3) Pages: 540-548

  • [Presentation] GliomaにおけるWntシグナル分子の作用機与2011

    • Author(s)
      羽生未佳、神野真幸、岸田想子、岐部俊朗、湯之上俊二、飯島幹雄、平野宏文、岸田昭世、時村洋、有田和徳
    • Organizer
      第29回日本脳腫瘍学会学術総会
    • Place of Presentation
      岐阜県下呂温泉 水明館
    • Year and Date
      2011年11月27日
  • [Presentation] Glioma浸潤活性におけるWntシグナルの作用機与2011

    • Author(s)
      羽生未佳、神野真幸、岸田想子、岐部俊朗、湯之上俊二、飯島幹雄、平野宏文、岸田昭世、時村洋、有田和徳
    • Organizer
      第12回日本分子脳神経外科学会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜
    • Year and Date
      2011年10月15日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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