2012 Fiscal Year Research-status Report
HDAC阻害薬を併用した微量抗原を標的としたグリオーマに対する免疫療法の開発
Project/Area Number |
23592137
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐藤 秀光 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70363801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 洋 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員准教授 (40244496)
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Keywords | 免疫療法 / グリオーマ / HDAC阻害作用 / バルプロ酸 / グリオーマ特異抗原 |
Research Abstract |
グリオーマ細胞に、HDAC阻害作用があることがわかっているバルプロ酸を作用させると、MHC class I とIIの発現増強効果があることがわかった。さらに、免疫細胞に障害されるための表面分子であるFas受容体が増強することもわかった。腫瘍細胞が免疫細胞を逆に攻撃するFasLは、発現が低下することも確認できた。 細胞障害試験を行うと、バルプロ酸投与により、その活性が増強することが確認できた。抗てんかん薬のうち、バルプロ酸は、HDAC阻害作用があることが知られているが、新規抗てんかん薬のガバペンチン(GBP)(商品名:ガバペン) トピラマート(TPM)(商品名:トピナ) ラモトリギン(LTG)(商品名:ラミクタール) レベチラセタム(LEV)(商品名:イーケプラ)に同様の作用があるかどうか確認している。 また 微量抗原については、グリオーマで特異性の高いIDH1変異部分のペプチド作成を試みたが、HLA-A24には、うまく結合せず、抗原提示能がないことがわかった。現在、別の抗原を試みている。テモゾロミド抵抗性と関連が示唆されているMGMTプロモーターのメチル化との関連も検討している。 今後は、バルプロ酸のHDAC阻害作用がグリオーマ細胞株以外の腫瘍細胞株の表面抗原にも変化があるかどうか、確認する予定である。とくに、分子標的薬のターゲットとなる分子が増強すれば、薬の効果を高める作用が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初 標的としていたグリオーマ特異抗原のIDH1の変異部分が抗原提示能が弱くいろいろHDAC阻害作用を含め、免疫力を高めるための工夫をしたが、ペプチドとHLAクラスIの結合力の弱さを克服することができないことがわかった。 あらたな技術がうまれたときにまた試みたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
脳腫瘍の患者のてんかん予防薬として、抗腫瘍効果があるものを探している。この結果が出れば、どの薬を使うべきか、臨床症状だけでなく、腫瘍に対する効果も狙った処方ができ、臨床に直結すると考えている。 グリオーマ細胞に、HDAC阻害作用があることがわかっているバルプロ酸を作用させると、MHC class I とIIの発現増強効果があることがわかった。同様の抗てんかん薬のうち、バルプロ酸は、HDAC阻害作用があることが知られているが、新規抗てんかん薬のガバペンチン(GBP)(商品名:ガバペン®) トピラマート(TPM)(商品名:トピナ®) ラモトリギン(LTG)(商品名:ラミクタール®) レベチラセタム(LEV)(商品名:イーケプラ®)に同様の作用があるかどうか確認している。 その他、抗腫瘍効果が臨床上見込まれた薬剤(メトフォルミン(商品名グリコラン)などのグリオーマに対する抗腫瘍効果の有無も検討する。 また 微量抗原については、IDH1以外の別の抗原を試みている。 新規抗てんかん薬のガバペンチン(GBP)(商品名:ガバペン®) トピラマー(TPM)(商品名:トピナ®) ラモトリギン(LTG)(商品名:ラミクタール®) レベチラセタム(LEV)(商品名:イーケプラ®)の購入、その他、抗腫瘍効果が臨床上見込まれた薬剤(メトフォルミン(商品名グリコラン)を購入。 HDAC活性測定キット、腫瘍抗原ペプチド合成、各種アッセイの費用などに研究費を使用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)