2013 Fiscal Year Research-status Report
HDAC阻害薬を併用した微量抗原を標的としたグリオーマに対する免疫療法の開発
Project/Area Number |
23592137
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐藤 秀光 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70363801)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 洋 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員准教授 (40244496)
|
Keywords | glioma / HDAC inhibitor / valproic acid / MGMTpromotor / pyrosequence |
Research Abstract |
悪性グリオーマは、手術、放射線、抗癌剤という標準的治療では、治癒に至る症例は非常に少ない。新しい治療法の開発が必要であり、我々は免疫療法の開発に着目している。免疫療法の効果増強のため、あるいは既存の治療法の効果を増強させるための工夫として、HDAC阻害薬に着目している。実際に臨床応用されている薬剤で、血液脳関門を超えて脳に作用できることがわかっている薬剤のうち、このようなHDAC阻害作用をもつ薬剤を検討している。 様々な抗てんかん薬のうち、レベチラセタムは、同様の作用があることが明らかになってきた。現在、複数のグリオーマ細胞株で再現性を確認している。また、グリオーマ以外の腫瘍細胞株でも同様の表面抗原の変化がみられるかどうかを検討している。 グリオーマ細胞にバルプロ酸を作用させると、MHC classI、IIの発現増強効果がみられることが我々の研究で明らかになってきた。さらに、免疫学的な分子として、CD80,CD86,Fasの発現上昇と、FasLの発現低下がみとめられることもグリオーマ細胞株で示された。これは、バルプロ酸のもつHDAC阻害作用によるものであることがわかってきた。 さらに新たな課題として、グリオーマ治療の標準治療薬であるテモゾロミドの感受性は、MGMTプロモーターのメチル化の有無で違いがあると言われている。そのプロモータ全体のメチル化をpyrosequence法で調べ、HDAC阻害薬でメチル化がどう変化するのかという新たな課題に取り組んでいる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
表面抗原を解析できるサイトメーターが不調で、調整依頼中である。修理ができ次第、研究を再開できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
バルプロ酸、レベチラセタムが、グリオーマの免疫療法に関わる各分子(MHC,Fas.FasL.CD80,CD86など)にどう作用していくのか、を調べていく。さらにグリオーマに対する新規薬剤として、ベバシツズマブ、BCNU(gliadel)が保険承認されたが、これらの薬と免疫療法との相互作用について、検討する。 さらにこれまでの研究を発展させて、他の施設と共同で、MGMTプロモータメチル化について、pyrosequenceで調べていく。 HDAC阻害作用があるバルプロ酸、レベチラセタムがメチル化にどう作用するのかを調べていく。
|