2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592153
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小澤 浩司 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10312563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 健太 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50375086)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 低出力体外衝撃波治療 |
Research Abstract |
脊髄損傷の新たな治療法として低出力体外衝撃波治療が損傷脊髄の二次傷害を防ぎ麻痺の回復に有効か検討した.【方法】SDラットの第9-11胸椎椎弓を切除し重錘落下装置(NYU Impactor)を用いて第10胸椎高位で脊髄損傷を作製した. Sham群, Sham-衝撃波群(Sham-SW群), 脊髄損傷群(SCI群)と脊髄損傷-衝撃波照射群(SCI-SW群)の4群に分け, Sham-SW群とSCI-SW群は損傷脊髄部位に低出力衝撃波を照射した. 条件はNishidaらの虚血心筋への方法を参照した. 損傷後1, 7, 14, 21, 28, 35, 42日でBBB scoreを用いて下肢機能を評価した(各群n=6). 損傷後7,21日の時点で各群の脊髄組織を取り出しRT-PCRを用いて血管新生因子であるVEGFとその受容体Flt-1、神経栄養因子であるBDNFとその受容体TrkBのそれぞれのmRNAを調べた.【結果】Sham群とSham-SW群はBBB scoreが満点で麻痺は認められなかった. SCI群とSCI-SW群は損傷後21日までは有意差がなかったが、損傷後28,35,42日でSCI-SW群に良好な回復を認めた(P<0.05). 損傷後42日のscoreはSCI群が13±0.9点,SCI-SW群17±1.5点であった。Sham-SW群はSham群に比べ損傷後7日でVEGF, Flt-1, BDNFのmRNAが有意に上昇した.損傷後7日でSCI群ではsham群に比較しVEGF, Flt-1, BDNF, TrkBのmRNAが有意に低下し、SCI-SW郡ではSCI群に比べ全て有意に上昇していた(P<0.05).VEGF, Flt-1, BDNF, TrkBのmRNAは損傷後21日で7日に比べ上昇を認めたが、SCI群とSCI-SW群間に有意差は認めなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、Sprague-Dawley ratsを用いて脊髄損傷モデルを作製し、行動解析と免疫学的検討の一部を行う予定であった。精力的な実験により順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続いて脊髄損傷モデルを作成する.そして免疫組織学的解析および組織学的解析を行う.免疫組織学的解析:損傷後7、42日の時点でWestern blot法で血管新生因子であるVEGF、eNOSと神経栄養因子であるBDNF、NT-3、FGF-2を調べる。組織学的解析:損傷後7、42日の時点で損傷脊髄のパラフィン切片を用い、NueN免疫染色を行い衝撃波の有無により残存神経細胞数に差がでるか解析する。ルクソールファストブルー染色を行い軸索損傷の領域を評価(髄鞘を含む白質を定量化)する。また脊髄空洞面積を評価し比較する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在用いている脊髄損傷動物の作成機器が老朽化し不具合がおきることがあるため、できるなら更新する予定である。次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成23年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。その他、動物購入、試薬などを購入する。研究成果発表のための旅費にあてる。
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