2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592153
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小澤 浩司 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10312563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 健太 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50375086)
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Keywords | 脊髄損傷 |
Research Abstract |
SDラットの第9-11胸椎椎弓を切除し重錘落下装置(NYU Impactor)を用いて第10胸椎高位で脊髄損傷を作製した. Sham群, Sham-衝撃波群(Sham-SW群), 脊髄損傷群(SCI群)と脊髄損傷-衝撃波照射群(SCI-SW群)の4群に分け, Sham-SW群とSCI-SW群は損傷脊髄部位に低出力衝撃波を照射した. 条件はNishidaらの虚血心筋への方法を参照した. 昨年度の結果に加え、麻痺の測定にInclined plane testを行った。21、35、42日目でSCI-SW群の運動機能が有意に高かった(p<0.05)。VEGFの免疫染色では、SCI群に比べて、SCI-SW群で損傷脊髄のVEGF発現が増加し、特に損傷部から頭側で有意に増加した(p<0.05)。 衝撃波を照射した群と、照射しない対照群で、知覚過敏(アロデニア)を比較した。アロディニアの評価は、損傷前と損傷後7、14、21、28、35、42日に、圧刺激(von Frey test)、熱刺激(Hargreaves test)、冷刺激(Acetone test)に対する後肢の疼痛閾値を行動学的に評価した。その結果、損傷直後に両群で全ての刺激に対する閾値が低下したが、14日目以後、閾値は経時的に上昇した。35日目以後、全ての刺激においてSCI群に比べてSCI-SW群の閾値が高い傾向がみられた。35日目でSCI-SW群の熱刺激に対する閾値が有意に高かった(p<0.05)。 本研究の結果、急性期の体外低衝撃波治療によって、麻痺の改善とアロデニアの改善が得られることが明らかになった。受傷1週間後の損傷脊髄で血管新生促進のみならず神経保護作用があるVEGF発現が有意に増加していたことから、この増加が脊髄の2次損傷を抑制し、機能を改善したと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画した実験は、ほとんど完了しきたされた成果が得られた。加えて、知覚障害であるアロデニアの評価を行った。現在、衝撃波治療期間を3週間から1周間に短縮しても、同等の効果が得られるか検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、衝撃波治療期間を3週間から1周間に短縮しても、同等の効果が得られるか実験中である。 これまでの研究成果を論文化するとともに、国内外の学会において成果を発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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