2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592153
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小澤 浩司 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10312563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 健太 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50375086)
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Keywords | 脊髄損傷 |
Research Abstract |
SDラットの第9-11胸椎椎弓を切除し重錘落下装置(NYU Impactor)を用いて第10胸椎高位で脊髄損傷を作製した. Sham群, Sham-衝撃波群(Sham-SW群),脊髄損傷群(SCI群)と脊髄損傷-衝撃波照射群(SCI-SW群)の4群に分け, Sham-SW群とSCI-SW群は損傷脊髄部位に低出力衝撃波を照射した. 条件はNishidaらの虚血心筋への方法を参照した. その結果,SCI-SW群がSCI群に比べて,損傷後 28日目以降の運動機能(BBB score)の有意な改善がみられた. Inclined plane testでは,21,35,42日目でSCI-SW群の運動機能が有意に高かった.またESWTによる有害事象は一切みられなかった.損傷後7日目の脊髄組織の定量的RT-PCRでは,SCI-SW群でVEGFおよびBDNFのmRNAが上昇していた.損傷後7日目のVEGF免疫染色では,SCI-SW群でVEGF陽性細胞が有意に増加しており,各神経系細胞マーカーNeuN, GFAP, Olig2の二重染色では,NeuN, GFAP, Olig2陽性細胞の全てでVEGFが発現していた.損傷後7日のTUNEL染色では,TUNEL陽性細胞数がSCI-SW群で有意に少なく,細胞死が抑制されていた.42日目のNeuN染色では,神経細胞数がSCI-SW群で有意に多く,ESWTによる神経保護作用が示唆された.次にSCI-SW群とSCI群で,知覚過敏(アロデニア)を比較した.圧刺激(von Frey test),熱刺激(Hargreaves test),冷刺激(Acetone test)に対する後肢の疼痛閾値を評価したところ,35日目以後でSCI-SW群の閾値が高い傾向がみられ,35日目でSCI-SW群の熱刺激に対する閾値が有意に高かった.アロディニアの組織学的評価として,42日目の腰髄を用いて,Iba-1(microglia),GFAP(astrocyte)の免疫染色を行い,腰髄後角のグリア細胞活性を評価した.SCI-SW群でIba-1,GFAP陽性細胞が減少傾向にあった. 脊髄損傷に対する低出力体外衝撃波治療は,各種神経系細胞でVEGFを発現し,細胞死を抑制することで,運動機能やアロディニアを改善したと考えられた.
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