2013 Fiscal Year Annual Research Report
神経栄養因子と上皮成長因子(EGF)受容体制御による末梢神経再生
Project/Area Number |
23592160
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
若林 良明 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (00431916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 光裕 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (90451971)
大川 淳 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30251507)
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Keywords | 末梢神経損傷 / 再生 / 上皮成長因子受容体 / シュワン細胞 |
Research Abstract |
最終年度は、後根神経節(DRG)の軸索伸長効果に対するEGFR阻害薬の効果について解析した。成ラットから単離した腰部DRGにEGFR阻害薬あるいは溶媒を添加してコラーゲン担体上で10日間培養した。その結果、DRGから担体内を伸長する軸索の長さはEGFR阻害薬群で長い傾向にあったが、両群で有意差を認めなかった。前回結果と合わせるとEGFR阻害薬は末梢神経に対し軸索伸長効果よりもシュワン細胞の活性促進に作用し栄養因子の発現増強によって神経再生を促進させる効果を有する可能性が示唆された。 動物実験は、前年度行ったETSモデルを作製してサンプル数を追加した。前回同様に縫合後2週からEGFR阻害薬投与群で有意に運動機能改善を認め、知覚機能も改善傾向であった。しかし、縫合後6週以上観察すると対照群とEGFR阻害薬投与群で運動、知覚機能に有意差が認められなくなった。このことは変性した腓骨神経切断端を脛骨神経に縫合しているにもかかわらず、縫合後一定期間を経ると神経再生が急速に起こるためと推測している。筋収縮には少数の運動神経線維が与えられれば良く、ETS縫合後6週は機能回復に十分な期間であったと考えられた。より神経再生が困難な環境下でEGFR阻害薬投与実験を検討する必要があった。 本研究成果をまとめると末梢神経損傷環境ではEGFの発現が増強し、シュワン細胞にはEGFRの発現が増加するようになる。そのような環境で神経縫合を行いEGFR阻害薬を加えると縫合部位でのシュワン細胞の増殖活性とBDNF、GDNF,VEGF活性が増加する。増加したシュワン細胞は、末梢神経再生に必要なミエリン形成を促進し、軸索再生に寄与しているものと推測される。よって末梢神経縫合後のEGFR阻害薬局所投与が神経機能回復を促進させる可能性が示唆された。本結果は、すでに学会報告を行い、追加データをまとめて論文作成を進めている。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] 手・指の関節症の治療2013
Author(s)
若林良明
Organizer
第3回かずさ整形外科トライアングルフォーラム
Place of Presentation
千葉県木更津市、オークラアカデミアパークホテル
Year and Date
20131210-20131210
Invited
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