2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592164
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
米澤 朋子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30304299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 善文 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70126241)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 |
Research Abstract |
脊髄損傷後のアストログリアに二次損傷を抑制する作用が指摘されている。またアストログリアは損傷した組織と血管を囲んで境界膜を形成することが知られている。我々は損傷後の境界膜にα1インテグリンが一過性に発現し、炎症性サイトカインや組織の修復因子の発現を誘導する可能性を見出した。境界膜では二次損傷を抑制することのできる有益なシグナルが働いている可能性があるが、その詳細は不明である。そこで、本研究では損傷脊髄における境界膜の役割を明らかにするためにα1インテグリンの機能とそのシグナルについて解析する。23年度は脊髄損傷の修復における境界面でのインテグリンを介した反応の重要性について個体レベルで明らかにするために、α1インテグリンノックアウトマウス(KO)を用いて検証した。KOと同様の損傷を与えた野生型(WT)を対象とした。すでに確立した脊髄損傷モデルの作製方法を用いる計画であったが、脊髄損傷後の下肢機能回復の評価におけるデータのばらつきが非常に顕著であったため、モデルの作製方法の改良を行った。改良後、WTとKOを用いてモデルを作製し、機能回復の評価を行った。さらに、サンプル数を増やして検討することが必要であった。また、24年度に計画した培養細胞を用いたα1インテグリンシグナル解析に関する予備的実験にも着手した。培養アストログリアの培養基質を変化させることによって炎症性サイトカインの発現に変化が生じるメカニズムの解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度に計画した個体レベルの解析に加え、24年度に計画している培養細胞を用いた解析の予備実験も行った。マウスモデルの作製方法に対して改良を行い、より精度の高い解析が可能となった。改良には研究の遅れを伴ったものの、今後の計画を進めるうえで重要な成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度の成果を踏まえ、計画を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
モデルの作製の改良という必要性が生じたため、マウスを用いた個体レベルの解析に遅れが生じた。マウスのモデルの解析は次年度も引き続き行う必要があり、24年度の当初の研究計画に加えて行う。繰り越した研究費とともに24年度配分の研究費を使用する計画である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Distribution of alpha(IV) collagen chains in the ocular anterior segments of adult mice.2011
Author(s)
Saito K, Yonezawa T, Minaguchi J, Kurosaki M, Suetsugu S, Nakajima A, Nomoto H, Morizane Y, Sado Y, Sugimoto M, Kusachi S, Ninomiya Y.
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Journal Title
Connective Tissue Research
Volume: 52
Pages: 147, 156
Peer Reviewed
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