2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592175
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
青木 保親 東邦大学, 医学部, 講師 (70584001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 新 東邦大学, 医学部, 講師 (60583995)
大鳥 精司 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40361430)
中川 晃一 東邦大学, 医学部, 教授 (30400823)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 腰痛 / 椎間板 / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
平成23年度より、腰椎変性疾患患者からの脳脊髄液および椎間板組織の収集を開始しておりますが、同意を取得の上、脊髄造影検査時に3cc程度の脳脊髄液を、腰椎手術時に1-2g程度の椎間板組織を採取し、冷凍保存しております。ELISAを行うために、各種神経栄養因子(NGF、BDNF、GDNF)のELISA Kitを購入しました。脳脊髄液中の神経栄養因子濃度を求めるため、まずは5倍希釈で各種ELISA Kitにて検出を試みましたが、すべて検出限界以下の吸光度を示しました。次に脳脊髄液を希釈せずに用いて、NGFのELISAを行いましたが、いくつかの検体を除き検出限界以下でありました。脳脊髄液中の神経栄養因子含有量は非常に少量である可能性があり、今後脳脊髄液の検体を増やし、一定量の検体を収集した時点で各種神経栄養因子の発現量をELISAにて求めることを予定しております。椎間板検体はELISAおよびRT-PCRを行うため、2つに分けて保存しております。ELISAにてNGFはやはり検出限界を超えないため、ELISAに使用する検体量を少しずつ増やして検出限界を超える量の設定をするよう調整を続けております。いくつかの検体で少量ではありますが検出が可能でありましたので、今後は検体量を増やしながら、適切な実験系を設定できるよう努力を継続いたします。RT-PCRを行うべく、RNAを抽出しておりますが、1g程度の椎間板組織からもほとんどRNAを抽出することが出来ず、椎間板手術検体からのRNA抽出がうまく進んでおりません。椎間板採取量を増やすこと、検体をRNAlaterへ保存するまでの時間を短縮することなどで研究に耐えうる量のRNAを抽出できるような実験系を組み立てる努力をしております。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脊髄造影検査時の脳脊髄液の検体収集はおおむね予定通り進んでおりますが、23年度の計画であったNGF、BDNF、GDNFのELISAによる検出が出来ておりません。手術時の椎間板の収集も順調に進んでおり、手術患者の臨床データ収集も順当に進んでおります。椎間板からのRNA抽出は成功しておりませんが、蛋白は一定量の抽出が出来ており、検体の濃度調整を行うことで、ELISAの検出限界を超える可能性は十分に期待ができる状況です。手術検体の収集は予想より早く進んでおり、椎間板検体を用いた実験系も少しずつ確立されてきており、この点では計画よりも順調に進行しております。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度に行いました実験結果では、残念ながら、NGF、BDNF、GDNFの検出は脳脊髄液、椎間板ともに非常に難しいものでありました。今後は脳脊髄液、椎間板ともに、検体量を増やしながら適切な実験系を設定できるよう努力を継続いたします。今年度は、各種神経栄養因子の検出法を確立し、本格的にNGF、BDNF、GDNFなどのELISAキットを用いて神経栄養因子の発現を調べていきます。脳脊髄液は無希釈でも検出が困難であったことから、実際に検出できないかどうかの確認をして、無理そうな場合は他の神経栄養因子(CTNFなど)や炎症性メディエータの検査追加など、予算範囲内で追加実験可能な物質を調査することも検討しております。採取した検体自体の分析を行うための実験系が成り立たない場合、培養系の実験を検討しておりますので細胞培養に必要な物品を購入することも検討しております。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度は検体収集を行い、蛋白、RNAの抽出、および、購入したELISAを用いて実験系の確立を目指しました。脳脊髄液、椎間板組織ともに神経栄養因子の発現量が少ないことが予測される状況で、特に実験系確立のためにNGF ELISAは追加購入が必要になっております。引き続き、上記の検体採取、蛋白やRNA抽出、各種神経栄養因子のELISAを行うため、特にNGF、BDNF、GDNFなどのELISAキットを補充するなど、研究を進めるための必要物品を補充していきます。採取した検体自体の分析を行うための実験系が成り立たない場合、培養系の実験を検討しておりますので細胞培養に必要な物品を購入することも検討しております。
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