2011 Fiscal Year Research-status Report
骨肉腫に対する新規合成プラチナ錯体にカフェインを併用した化学療法の基礎的研究
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23592180
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山本 憲男 金沢大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90332668)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 抗がん剤 / 新規開発 / プラチナ製剤 / 骨肉腫 |
Research Abstract |
使用する新規抗がん剤であるリン酸基含有多核プラチナ錯体(=Ptn(IP6)2)について合成を行った。In vitroにおいて,新規合成リン酸基含有多核プラチナ錯体の感受性試験および,リン酸基含有多核プラチナ錯体+カフェインによる感受性増強試験を行い、新規合成リン酸基含有多核プラチナ錯体が骨肉腫細胞に対して、従来のCDDPよりも有効であることを96 wellのマイクロプレートリーダーを用いて細胞生存曲線を求めることで明らかとした。また、カフェインとの相乗効果についても、同様にWSTアッセイを行うことで明らかとした。またその効果が、骨肉腫細胞へアポトーシスを誘導するすることでもたらされていることも、フローサイトメトリーなどで確認することができた。これらのデータについては、癌の専門学会において発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に予定していたin vitroでの研究については、順調のデータを得ている。また、その作用がアポトーシスによりもたらされていることを明らかとした点は、従来の研究計画には当初なかった点であり、当初計画以上の成果であるといえる。また、これら研究成果について、癌の専門学会で発表を行えたもの大きな成果であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,in vivoの実験を行うことで、実際の生体内においても骨肉腫に対して、有効に作用するか確認を行う。また新規抗がん剤であるリン酸基含有多核プラチナ錯体(=Ptn(IP6)2)の作用機序につき、従来のCDDPとの相違点についてin vitroでの検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に未使用額が生じたのは、感受性試験、アポトーシスの検証試験を行った骨肉腫細胞株が予定よりも少なかったためで、今後は細胞株の種類を増やして追加実験を行う予定である。そのため平成24年度以降の研究では、引き続きin vitroでの実験を継続するため、腫瘍細胞の培養を行う。また、H2AXのリン酸化を蛍光免疫染色で評価し、DNAへの結合によるDNA二重鎖の破たんを評価することで、新規抗がん剤であるリン酸基含有多核プラチナ錯体(=Ptn(IP6)2)の作用機序の一端を明らかとする予定である。また、in vivoでの実験をおこなうため、骨肉腫細胞の大量培養を行う。また、ヌードマウスを購入し、生体で実際の新規抗がん剤であるリン酸基含有多核プラチナ錯体(=Ptn(IP6)2)の効果につき検討を行う。
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Research Products
(2 results)