2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592182
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥井 伸幸 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70547554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 仁 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80173243)
篠原 孝明 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00378209)
建部 将広 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60420379)
山本 美知郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90528829)
栗本 秀 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (70597856)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 神経縫合 / 生分解性材料 |
Research Abstract |
我々が以前神経縫合部に使用したPLAフィルムには薄く柔らかいと破れやすいもろさがあり、厚くなると硬くなり凹凸のある組織との接着性に問題が生ずる。また、フィルムであるために神経に対して周辺からの血行を妨げる可能性があった。今回は名古屋工業大学工学部の協力のもとでポリヒドロキシアルカノエート(PHA)不織布の作成を行った。エレクトロスピニング法(粘性溶液に電圧を印加することでファイバーを得る手法)で厚みの異なる不織布を2種類作成した。 以前神経に使用したポリ乳酸ハニカム構造膜(PLAフィルム:厚さ10μm)と今回作成したPHA不織布(厚さ50μmと100μm)を用いて引張特性の比較実験を行った。結果、PLAフィルムはPHA不織布と比較して高い引張荷重、ヤング率を有していたが破断伸びは低かった。引張強度を比較するとPLAフィルムはPHA不織布(100μm)の約40倍であるが実際に印加された荷重で比較するとおよそ4倍であった。 PHA不織布を用いてラット坐骨神経切断後縫合部の被覆試験を行った。PLAフィルムよりも厚みがあるにもかかわらず、柔らかいために操作性は良好で容易に神経上膜に密着し、被覆することが可能であった。縫合部破断張力試験において不織布が破れる前に縫合部が破断する現象が見られた。神経との接着性は十分であるが、縫合部に緊張がかかったときの不織布初期強度が不十分であることが示唆された。引張試験の結果からも材料として改善すべき点である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を材料とした神経保護材料を製作中であるが、ポリ乳酸(PLA)フィルムの欠点を補い、長所を凌駕する程の試作品が完成していない。
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Strategy for Future Research Activity |
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を材料とした神経保護材料を製作し、その有用性が認められそうな試作品が完成したところでラットを用いた神経縫合部破断試験、神経機能回復評価、組織学的評価を行う予定であったが、まだ少数のラットで確認を行ってる段階である。このため前年度の動物実験費が抑制され、次年度へ繰り越すことになった。作成方法を変更してフィルムまたは不織布を完成させ、当初の計画に沿った実験を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を用いた神経保護剤の作成と引張試験を行う。試作品に対して動物実験による神経縫合部破断試験、神経機能回復評価、組織学的評価を行い、神経縫合に対する有用性を証明する。同時に長期経過観察も行い、PHAの生体内変化、安全性を確認していく。
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