2012 Fiscal Year Research-status Report
多中性骨肉腫樹立細胞株を用いた病態解明と転移抑制のための実験的研究
Project/Area Number |
23592201
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
山田 治基 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40146626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 直樹 藤田保健衛生大学, 共同利用研究施設, 講師 (00267957)
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Keywords | 多中心性骨肉腫 / 細胞株 / 骨転移 / ケモカイン / 抗体ライブラリー |
Research Abstract |
研究の達成目標として、樹立した多中心性骨肉腫細胞株を用いてin vivoにおける細胞株の移植の実験系を構築し、1)細胞動態を観察し高い確率で骨転移を形成する細胞株(亜株)を新たに作成する。2)1)で作成した亜株における骨肉腫の骨転移に関与する因子の検索と解析を行うことである。1)に関しては平成23年度までに一定の成果を得ており、本年度(平成24年度)においては主に骨肉腫の骨転移に関与する因子についての研究を行った。本学の総合医科学研究所・抗体プロジェクトが開発したヒト抗体型ファージライブラリーを多中心性骨肉腫細胞株と反応させ、多中心性骨肉腫を認識する抗体セットを作成した。この抗体セットはポリクロナールであり、多中心性骨肉腫細胞株に対して親和性が高いことをFACSで確認した。さらに、総合医科学研究所・抗体プロジェクトが所有している他の腫瘍細胞(肺癌、前立腺癌、髄膜腫)で作成した抗体セットとの比較実験を行ったところ、今回作成した抗体セットが多中心性骨肉腫に対して最も反応強度が高かった。また、それぞれの腫瘍細胞に対しても同様に抗体セットでFACSを行い、反応強度に相関関係を認めた。この結果は、抗体セットの組み合わせとそれに対する各種腫瘍細胞の反応を研究することにより、細胞のキャラクターを容易に判定する技術へ発展する可能性を示唆している。来年度(平成25年度)は、各種腫瘍細胞と抗体セットの組み合わせを増やし、腫瘍のキャラクター別に分類していく。また、骨指向性の腫瘍に共通する因子を解析することで、骨転移に必要な因子を同定することを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多中心性骨肉腫細胞株に対する抗体セットの作成に成功し、良好な親和性が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
ポリクロナール抗体での反応で得られた結果をもとに、真に骨転移に必要な因子を同定する。 抗体セットそのものを細胞と反応させる手法は報告されていないが、実験結果からは腫瘍ごとに差があるため、細胞のキャラクターを判定する方法として発展が期待される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度同様、主要な用途は消耗品である。
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Research Products
(1 results)