2015 Fiscal Year Annual Research Report
多中性骨肉腫樹立細胞株を用いた病態解明と転移抑制のための実験的研究
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23592201
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
山田 治基 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40146626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 直樹 藤田保健衛生大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (00267957)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 多中心性骨肉腫 / 細胞株 / 骨転移 / GFP遺伝子導入 / ケモカイン / カドヘリン / 抗体ライブラリ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の達成目標として、樹立した多中心性細胞株を用いてin vivoにおける細胞株の移植の実験系を構築し、1)細胞動態を観察し、高い確率で骨転移を形成する細胞株(亜株)を新たに作成する。2)1)で作成した亜株に終える骨肉腫の骨転移に関与する因子の検索と解析を行うことである。1)に関しては平成23年度までに一定の成果を得た。平成24年度にphage displayの技術を用いて作成した、多中心性骨肉腫細胞株に特異的に反応する抗体セット(polyclonal抗体)を使用して、多中心性骨肉腫に特異的に発現する抗体の同定を試みた。得られたpolyclonal抗体をmonoclonal抗体に分離し、100種類程度の抗体を得た。その抗体を多中心性骨肉腫細胞株と市販されている骨肉腫細胞株に反応させて、その反応の強さを蛍光強度で定量的に測定する方法を開発した。その結果多中心性骨肉腫細胞株のみに反応する抗体を2種類得た。今後はその抗体のアミノ酸配列を測定し抗原を同定し、先に得たマイクロアレイのdataと照合させることを目指している。また、これまでの研究結果についての報告を執筆中である。 また、研究目標2)に関して、近年 カドヘリン11とN-カドヘリンが骨肉腫の肺転移に関係すると言われている。また、E-カドヘリンとN-カドヘリンは癌腫の転移において注目されている接着因子である。多中心性骨肉腫細胞株におけるE-カドヘリン、N-カドヘリン、カドヘリン‐11の三種類の接着因子の発現についてマイクロアレイの解析、FACS,組織染色を行ったが、有意な結果が得られなかったため、市販の骨肉腫細胞株やその他の癌腫の細胞株と比較して実験を継続している。
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