2011 Fiscal Year Research-status Report
変形性関節症の関節マーカーの可能性と限界 ~縦断的大規模住民検診より~
Project/Area Number |
23592207
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山際 浩史 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40377164)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | osteoarthritis / knee / biomarker / CTX-II |
Research Abstract |
2010年に行った検診時に得た約1000名の対象者から得られた保存尿検体の軟骨代謝マーカーuCTX-II値を、Urine Clinical CartiLaps EIAキット(IDS社)を購入して、過去の測定でも協力を頂いた検査会社SRLに測定を依頼しすべての計測を終了した。 既に得られている2010年分の両膝X線正面像のOAグレードを用いて、閉経に関係のない年代を対象とした検討を行うこととし、60歳以上の男女(女性260名、男性276名)を対象として、G0,1, G2, G3,4の3群に分けてのOAグレード別のuCTX-II値、また、uCTX-II値を低値から高値への4分位に分けた場合のOAグレード分布、ならびにuCTX-II値の膝OAの検出感度を調べるためROC曲線を作製して調べた。 その結果、1)OAグレードが上昇するに伴い、特に女性おいてuCTX-IIの平均値は有意に上昇、2)uCTX-II値が高値になるに従い、女性において有意にOAグレード2以上の対象者が増加する、3)uCTX-II値のマーカーとしての感度は、ROC曲線のAUC(area under the curve)は、女性で0.65、男性で0.61であり、女性の方が有用であると判断できたが、単回の検査の感度としては高いものではなかった。 また、並行して住民検診群だけではなく、病院受診者も3年以上の経過観察を進めており、本研究との比較検討を行うため、同時に測定を行った。3年以上の間隔を置いたX線評価(OAグレード、関節裂隙)では、uCTX-IIの値と関連した変化を認めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体の検査をすべて終了し、現在データの解析を進行しつつ、学会発表・論文作成へと順調に進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度のデータ解析結果を、本年の学会(OARSI:海外 並びに JOSKAS:沖縄)で発表し、議論を深めつつ論文化をすすめる。 また、病院受診者の検体の測定も本研究の援助を受けて順次進め、住民検診群との比較を行なっていく予定。 更に、今回の研究で測定を行った2010年に加えて、過去の補助金で測定した2007年データが存在するので、現在、両データの対応を進めているところである。今後は縦断的検討を行うようにデータ解析を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
病院受診者の検体を保存しており、半年程度の検体を集めた後で、まとめてキットの購入と測定を行い無駄なく使用していく予定。 仮に上記が不要の場合には、英語論文校正など、成果を発信するために使用する予定。
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