2014 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症の関節マーカーの可能性と限界 ~縦断的大規模住民検診より~
Project/Area Number |
23592207
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山際 浩史 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40377164)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / バイオマーカー / 尿中CTX-II / 縦断研究 / 住民検診 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症(OA)の早期発見、治療効果の判定のためには、客観的指標となるバイオマーカーが不可欠である。バイオマーカーの有用性を確認するためには、できるだけ、長期間のX線上のOA変化を多数の例で確認することが必要と考え、住民検診を対象とした調査を行った。 2007年と2010年の3年間の検診を両方とも受診した被験者を対象とする縦断的的検討を行った結果、①女性では中等度OA(grade2)からさらなるX線上の進行を認めた群において、尿中CTX-IIが高値となっていたこと、また、②3年間の経過で尿中CTX-II値の例が有意に増加した群は、男女ともに初回X線にはOAを認めないgrade1の群に多く、今後のOA発症につながる可能性を示唆している、ことを見出した。本内容は平成25年度には日本整形外科学会総会で発表し優秀ポスター賞を受賞。その後、平成26年度に論文作成し、平成27年4月に別冊整形外科において掲載となった。 平成25年度終了予定であった本研究であるが、2013年(平成25年)にも同コホートにて再度のX線調査を行う事が可能となったため、2007年と2010年のマーカー値が2013年のOA変化にどのように反映しているかを調査すべく、研究期間の延長を依頼して検討を継続することとし、6年間のX線変化を確認することができた。その結果、2007年からみて2013年までのX線上のOA発症群で、男女とも2007年と比べて2010年のuCTX-Ⅱが有意に高かったことや、男女ともに2回の測定による平均uCTX-II値の低値群に比べて、高値群でOA進行例の割合が増えていたことより、尿中CTX-II値の複数回の測定で6年間におけるOAの発症・進行を予測できる可能性があるという結果を得て、平成26年10月の日本整形外科学会基礎学会にて発表した。現在論文を作成中である。
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