2013 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄由来未分化間葉系細胞を用いた肩腱板断裂の非侵襲的治療の試み
Project/Area Number |
23592210
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
松末 吉隆 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (30209548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 晋二 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90283556)
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Keywords | 腱板 / 修復 / 骨髄間葉系細胞 / サル |
Research Abstract |
これまでの実験では、サルを実験動物に用いて種々のサイズの断裂を検討し、自然修復が起こらない最小断裂モデルを作成した。すなわち、小さな断裂は肩峰下滑液包由来の骨髄由来の未分化間葉系細胞(MSC)によって修復されうるのではないか、との仮説に基づき、サル腱板組織に4mmと8mmの断裂モデルを作成し、断裂サイズによる修復過程の違いについて組織学的に検討した。4mmモデル、8mmモデルともに3週目では、炎症性肉芽組織の活発な増殖を腱板断裂部に認めた。しかし、24週目になると4週モデルでは架橋瘢痕のリモデリングが進み、断裂部は修復されていた。8mmモデルでは、再断裂した。 この結果を踏まえて、自然修復しない腱板断裂のcritical sizeは8mmモデルとした。これに骨孔作成し、骨髄との交通を確立することで骨髄由来MSCが腱板修復に参加できるようにした実験群とsham手術したコントロール群を作成し、その修復過程を評価したところ、8mmモデルでも修復されていた。この最小断裂モデルに腱板断裂部に骨孔を作成し、骨髄と断裂部の交通を可能にならしめたところ、断裂腱板の修復が起こることを確認した。 あらかじめ、骨髄穿刺により骨髄液を採取する。骨髄由来MSCに特異的細胞表面マーカーに対するフローサイトメトリーによって骨髄由来MSCを精製した。自然修復しないcritical sizeの腱板断裂モデルである8mmモデルに種々の濃度の骨髄由来MSC準備液を注射注入する。その結果、本来修復しないはずの8mmモデルが効率よく修復されていた。
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