2011 Fiscal Year Research-status Report
関節軟骨変性過程において鍵となる遺伝子発現制御因子の探索
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23592218
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡崎 賢 九州大学, 大学病院, 講師 (10398092)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / 関節リウマチ / 軟骨変性 / 遺伝子発現 / 転写因子 |
Research Abstract |
関節リウマチや変形性関節症での軟骨変性において、先行研究において、転写因子C/EBPの発現が、変性軟骨部と滑膜において亢進していることを明らかにした。今回の研究課題において、当該年度はC/EBPが軟骨変性部と滑膜においてMMP-3の発現を刺激していることを明らかにした。免疫染色にて両者の発現が認められることを示した。培養軟骨細胞において、C/EBPの発現増強が、MMP3の遺伝子発現を刺激し、その遺伝子プロモーター活性も増強することを明らかにした。さらに、C/EBPの発現を抑制すると、MMP-3の遺伝子発現も低下することを明らかにした。MMP-3プロモータのC/EBP結合領域を変異させると、このプロモータ活性の増強効果がなくなることより、C/EBPによるMMP-3プロモータの直接的な影響が示唆された。以上のことから、C/EBPは関節炎での滑膜と変性軟骨細胞にて発現が増強し、その標的遺伝子としてのMMP-3の発現が増強していることが明らかとなった。先行研究においてMMP-13でも、同様のメカニズムが存在しており、転写因子C/EBPが多機能性に、様々な軟骨変性関連分子の遺伝子発現に関与していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予想通りに結果が得られており、論文発表や学会発表も行った。さらに、軟骨の器質蛋白発現の変化についても解析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、軟骨変性におけるもう一つの特徴的変化である、軟骨細胞の器質蛋白発現の変化に注目して解析を進める。2型コラーゲンの発現低下と軟骨細胞の肥大化を生ずるメカニズムを明らかにしていく予定である。すでに予備実験による良好な結果が得られており、研究計画推進の見込みは立っている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き、主として実験に用いる消耗品に対して使用する計画である。遺伝子発現解析の各種薬剤がその主な用途となると計画している。
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Research Products
(2 results)