2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592223
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
射場 浩介 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (60363686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 敏彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70244366)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 / 疼痛 / ビスホスホネート |
Research Abstract |
生後約8週のメスマウスを用いて卵巣摘出を行い、閉経後骨粗鬆症モデルを作製した。(OVX群)。対照群として偽手術をおこない(Sham群)、術前、術後3日、1週、2週、4週、6週、8週、10週の疼痛評価をおこなった。(1)i) 行動学的評価としてナイロンフィラメントを用いた足底部刺激(von Frey test)や熱刺激(paw flick test)に対する反応評価を行った。また、回転する棒の上でマウスを走らせ、落下するまでの時間を測定することで全身疼痛の指標を計測する器械であるrota-rod testを用いた。結果、OVX群においてvon Frey testとpaw flick testは術後4週以降より、rota-rod testでは術後6週以降より有意に疼痛域値の低下を認めた。ii) 組織学的評価方法としてマウスを潅流固定して脊髄を摘出し、脊髄組織における疼痛関連蛋白c-fosの発現を免疫組織染色を用いて検討した。術後8週でc-fosはOVX群において有意に発現が増強していた。以上の結果よりOVX群で疼痛が増強していたと考えられた。(2)術後4週で行った単純XP所見ととBMDを用いた骨密度測定で有意な骨量低下を認めた。さらに骨吸収マーカーである血清TRAP5b値は術後4週から有意な増加を認めた。以上より本実験モデルが高骨代謝回転転を呈する閉経後骨粗鬆症モデルとして妥当であると考えられた。(3)OVX後にビスホスホネートの投与(0.02mg/kg/mouse皮下注射)を行い(OVX+BP群)、上記実験項目についてOVX群と比較検討した。OVX+BP群はOVX群と比較して、疼痛域値の改善とc-fos発現の低下を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
卵巣摘除(OVX)による高骨代謝回転状態を呈した閉経後骨粗鬆症モデルマウスにおいて、疼痛症状の増強を認め、さらに骨粗鬆症治療薬であるビスホスホネート投与により症状が改善する可能性があることを示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
Sham群、OVX群、OVX+BP群の脊髄神経根と骨組織における疼痛関連物質や骨代謝関連物質の発現変化についてさらに詳しく検討する。OVX後4~6週以降(予備実験で疼痛域値の有意な低下が出現した。)のマウスより脊髄神経と骨組織を摘出し凍結する。同組織の免疫組織学的検討とmRNAを分離しRT-PCR法にて疼痛関連物質や骨代謝関連物質の発現変化を検討する。さらに侵害受容性神経終末に存在する受容体の1つであるカプサイシン受容体をはじめ、いくつかの侵害刺激受容体拮抗薬を投与してOVX群の疼痛行動評価をすることで、骨粗鬆症における疼痛の発現にこれらの受容体を介した経路が存在するか否かについて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記に述べたRT-PCRや免疫組織学的検討、拮抗薬使用による行動研究などで使用する消耗品や薬品購入のため、また、学会発表を行うための旅費などに使用するよていである。
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Research Products
(2 results)