2013 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチにおけるIL-17の役割と部位特異的な関節破壊機序の解明
Project/Area Number |
23592234
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
園部 正人 東邦大学, 医学部, 助教 (60459774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 新 東邦大学, 医学部, 准教授 (60583995)
中川 晃一 東邦大学, 医学部, 教授 (30400823)
青木 保親 東邦大学, 医学部, 准教授 (70584001)
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Keywords | 関節リウマチ |
Research Abstract |
本研究の目的は、関節リウマチ(RA)においてIL-17を中心とした炎症カスケードと関節破壊のメカニズムを検討することである。 実験にはRA患者20例20関節から手術時に採取した滑膜を用い、昨年度の研究では滑膜線維芽細胞(FLS)を用いた実験において、関節破壊の指標となるMMP3の産生はIL-17 (100 ng/mL)単独による刺激では変化がなかったが、IFN-γ (1 ng/mL)との共刺激によって有意に増加すること報告した。このことから、疾患活動性が高いRAの関節ではIL-17単独ではなくIFN-γと協調して関節破壊を進行するメカニズムが考えられた。 近年、RAと酸化ストレスの関係が注目されているが、酸化の際に生体内で生じる活性酸素種(ROS)のRA病態への関与は明らかにされていない。本年度は、外来通院中のRA患者より血液を採取し、血中ヒドロペルオキシド(酸化代謝産物の総称)を測定するd-ROMテストにより、酸化ストレス(reactive oxygen metabolities, ROM)を評価した。また、ROMと関連する因子を同定するために、年齢、CRP, MMP3, DAS28(ESR), eGFR, メソトレキサート(MTX)用量、プレドニゾロン(PSL)用量について多変量解析を行った。次に、FLSを用いて炎症性サイトカインによるROS産生を検討した。FLSにTNF-α,IL-1β,IL-17, IFN-γで刺激し、24時間後のROS産生をフローサイトメトリーで測定した。 多変量解析の結果、ROMはCRP, DAS28(ESR)と有意に相関した。FLSからのROS産生は、TNF-α,IL-1β,IL-17の単独刺激ではIL-1βで著明な産生増加を認めたが、TNF-α,IL-17による増加は軽度であった。いずれのサイトカインもIFN-γとの共刺激で単独刺激に比べてROS産生は増加した。
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