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2012 Fiscal Year Research-status Report

代謝センサー分子AMPKに着目した破骨細胞性骨吸収の機能制御

Research Project

Project/Area Number 23592240
Research Institution地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)

Principal Investigator

穴水 依人  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70302693)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宮崎 剛  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50376480)
田中 栄  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50282661)
Keywordsシグナル伝達 / 破骨細胞
Research Abstract

我々は、運動器の中でも特に骨代謝において重要な役割を果たしている破骨細胞性骨吸収におけるミトコンドリア機能/細胞内ATP濃度の役割を解析してきた。最近、細胞内エネルギーが欠乏しAMP/ATP比率が高まると活性化されるAMPK(AMP-activated protein kinase)の制御が、肥満および糖尿病に対する1つの重要な戦略となっている。本研究では、破骨細胞のAMPK活性をコントロールすることにより、破骨細胞性骨吸収とメタボリックシンドロームとの関連性を検討し、健康寿命延長への総合的かつ新たな筋道を見つけることを目的とする。
AMPKは3つの異なるサブユニット(α, β, γ)からなるヘテロ3量体からなる。AMPK αは触媒サブユニットで、N末端側にセリン/スレオニンキナーゼドメインがあり、AMPKの酵素活性としての機能を担っている。このキナーゼドメインにはリン酸化サイト(Thr172)が存在し、この部位のリン酸化状態の変化がキナーゼの活性に大きな影響を与える。また自己抑制ドメインやC末端側にはβサブユニットとの結合ドメインが存在する。AMPK α1, α2のリン酸化サイトに変異を入れると(T172A)、ドミナントネガティブ型(DN型)として働く。また、リン酸化サイトに加えて、C末端領域を削ると恒常的活性化型(CA型)として働く。昨年度作製したこれらの遺伝子を組み込んだアデノウイルスを破骨細胞に感染させた。ウエスタンブロッティングにて、効率よいタンパクの発現がみられ、AMPKの直接の基質であるACCのリン酸化を評価したところ、DN型にでACCのリン酸化の低下、CA型にてリン酸化の上昇を認めた。このことから、これらアデノウイルスにより、細胞内AMPKの活性を制御することに成功した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

AMPK α1, α2の恒常的活性型およびドミナントネガティブ型の遺伝子を組み込んだアデノウイルスの作製に成功し、myc-tagでその発現を確認することができた。AMPKの直接の基質であるACCのリン酸化を評価したところ、DN型にでACC(Acetyl-CoA Carboxylase)のリン酸化の低下、CA型にてリン酸化の上昇をphospho-ACC抗体を用いたウエスタンブロットにより確認した。このことから、これらアデノウイルスにより、細胞内AMPKの活性を制御することが確認された。

Strategy for Future Research Activity

AMPK α1, α2変異型遺伝子を組み込んだアデノウイルスを感染させ、AMPKのキナーゼ活性の制御によって破骨細胞の機能が変化するかどうかを検討する。破骨細胞の骨吸収機能は、象牙質(dentine slice)上に破骨細胞を培養し、破骨細胞がdentine slice表面の吸収した面積(吸収窩)を測定することにより評価する。コラーゲンゲル上で骨芽細胞と骨髄細胞の共存培養を行い、十分量の破骨細胞を形成させ、検討を行う。その他、これら破骨細胞を用いて、ATPの産生量を測定し、細胞骨格の評価をアクチン染色にて、また破骨細胞の自発的アポトーシスへの影響をSurvival assayにて評価する。さらには、培養細胞長時間イメージング記録システムを用い、破骨細胞のmotility、メンブレンのラッフリングなどを評価する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

破骨細胞の骨吸収機能の評価には、象牙質(dentine slice)、破骨細胞がdentine slice表面の吸収した面積(吸収窩)を測定するためのソフト(Image Analyzer)が必要である。破骨細胞のATPの産生量を測定するためのATP assay kitなどの消耗品が必要である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 2012

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] サルコペニア発症のメカニズム2013

    • Author(s)
      宮崎剛、森秀一、重本和宏
    • Journal Title

      腎と骨代謝

      Volume: 26 Pages: 99-107

  • [Journal Article] Intracellular and extracellular ATP coordinately regulate the inverse correlation between osteoclast survival and bone resorption2012

    • Author(s)
      Miyazaki T, Iwasawa M, Nakashima T, Mori S, Shigemoto K, Nakamura H, Katagiri H, Takayanagi H, Tanaka S
    • Journal Title

      J Biol Chem

      Volume: 287 Pages: 37808-23

    • DOI

      10.1074/jbc.M112.385369.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 老齢マウスの筋繊維タイプ特異的な筋萎縮の病態解明2012

    • Author(s)
      福永大地、久保幸穂、森秀一、宮崎剛、樋上賀一、重本和宏
    • Journal Title

      基礎老化研究

      Volume: 36 Pages: 47-49

  • [Presentation] 老齢マウスの筋繊維タイプ特異的な筋萎縮の病態解明2012

    • Author(s)
      福永大地、森秀一、久保幸穂、中山亮、村瀬尚哉、宮崎剛、樋上賀一、重本和宏
    • Organizer
      第32回日本基礎老化学会大会
    • Place of Presentation
      千葉県船橋
    • Year and Date
      20120726-27
  • [Presentation] A novel murine model of myasthenia gravis with MuSK antibodies.2012

    • Author(s)
      Mori, S., Kubo, S., Akiyoshi, T., Yamada, S., Miyazaki, T., Hotta, H., Desaki, J., Kishi, M., Konishi, T., Maruyama, N. and Shigemoto, K.
    • Organizer
      12th International conference on myasthenia gravis and related disorders
    • Place of Presentation
      New York
    • Year and Date
      20120521-20120523

URL: 

Published: 2014-07-24  

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