2013 Fiscal Year Annual Research Report
代謝センサー分子AMPKに着目した破骨細胞性骨吸収の機能制御
Project/Area Number |
23592240
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
穴水 依人 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70302693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 剛 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50376480)
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50282661)
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Keywords | シグナル伝達 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
我々は、運動器の中でも特に骨代謝において重要な役割を果たしている破骨細胞性骨吸収におけるミトコンドリア機能/細胞内ATP濃度の役割を解析してきた。最近、細胞内エネルギーが欠乏しAMP/ATP比率が高まると活性化されるAMPK(AMP-activated protein kinase)の制御が、肥満および糖尿病に対する1つの重要な戦略となっている。本研究では、破骨細胞のAMPK活性をコントロールすることにより、破骨細胞性骨吸収とメタボリックシンドロームとの関連性を検討し、健康寿命延長への総合的かつ新たな筋道を見つけることを目的とする。 AMPKは3つの異なるサブユニット(α, β, γ)からなるヘテロ3量体からなる。AMPK αは触媒サブユニットで、N末端側にセリン/スレオニンキナーゼドメインがあり、AMPKの酵素活性としての機能を担っている。このキナーゼドメインにはリン酸化サイト(Thr172)が存在し、この部位のリン酸化状態の変化がキナーゼの活性に大きな影響を与える。また自己抑制ドメインやC末端側にはβサブユニットとの結合ドメインが存在する。AMPK α1, α2のリン酸化サイトに変異を入れると(T172A)、ドミナントネガティブ型(DN型)として働く。また、リン酸化サイトに加えて、C末端領域を削ると恒常的活性化型(CA型)として働く。昨年度作製したこれらの遺伝子を組み込んだアデノウイルスを破骨細胞に感染させた。ウエスタンブロッティングにて、効率よいタンパクの発現がみられ、AMPKの直接の基質であるACCのリン酸化を評価したところ、DN型にでACCのリン酸化の低下、CA型にてリン酸化の上昇を認めた。このことから、これらアデノウイルスにより、細胞内AMPKの活性を制御することに成功した。しかしながら、複数のCA型、DN型のAMPKを導入した破骨細胞において、延命も骨吸収機能にも大きな変化はなかった。
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Research Products
(5 results)