2011 Fiscal Year Research-status Report
麻酔・手術後の睡眠、認知障害機序と治療法の研究:覚醒、回復、周術期トータルケアへ
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23592242
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
櫛方 哲也 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (80250603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 和美 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20238413)
吉田 仁 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00374843)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 麻酔 / 睡眠 |
Research Abstract |
体重300-350gのSD系雄性ラットを対象とし、ケタミン(100mg/kg)、プロポフォール(80mg/kg)、をそれぞれ腹腔内投与し麻酔を行った。ラットを所定の方法に基づき断頭、摘出した脳から大脳皮質、視床下部、海馬、橋を分別、OX含量をELIZAで定量した。これらの部位は睡眠-覚醒、記憶に関与する部位であり、また、麻酔機序にも関与する部位である。各時点での血液中のOX含量も同様に測定した。測定時点は麻酔前、麻酔後20分(麻酔中)、麻酔後60分、麻酔後120分の4点とし、含量変化の推移を検討した。また、ニューロペプタイドS (NPS)を脳室内投与し、各種麻酔薬の持続時間に及ぼす影響と麻酔後の睡眠動態を検討した。また、DSP-4の生理的影響も検討した。1.Kushikata T. [State of sleep science in anesthesiology]. Masui 2011: 60 Suppl.: S83-90.2.Kushikata T, Yoshida H, Kudo M, Salvadori S, Calo G, Hirota K. The Effects of Neuropeptide S on General Anesthesia in Rats. Anesth Analg 2011:112:845-93.Kudo T, Kushikata T, Kudo M, Kudo T, Hirota K. Antinociceptive effects of neurotropin in a rat model of central neuropathic pain: DSP-4 induced noradrenergic lesion. Neurosci Lett 2011:503:20-2.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画ではin vitroの研究でラットに対しケタミン(100mg/kg)、プロポフォール(80mg/kg)、をそれぞれ腹腔内投与し麻酔を行った上で、所定の方法に基づき断頭、摘出した脳から大脳皮質、視床下部、海馬、橋を分別、OX含量をELIZAで定量し、評価する計画であった。これは終了した。他の麻酔薬も余裕が有れば検討する計画であったが、これは次年度以降の検討課題としたい。また、ニューロペプタイドS (NPS:1.0 nmol:文献上の覚醒量)又はNPS受容体拮抗薬の[Aib5]NPS(20 nmol:文献上の拮抗量)投与脳室内投与し、各種麻酔薬の持続時間に及ぼす影響と麻酔後の睡眠動態を検討した。これも当初の計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
ニューロペプタイドS (NPS)、OXと麻酔の相互作用についての更に検討範囲を拡張し、また、麻酔機序、睡眠-覚醒に密接な関係が有る脳内ノルアドレナリン作動性神経とNPS、OXとの干渉を検討、両者の麻酔に対する作用機序について解明を進める。平成23年度と同様に体重300-350gのSD系雄性ラットを対象とし、青班核由来中枢ノルアドレナリン作動性神経の特異的毒素であるDSP4を50mg/kgを腹腔内投与、上記の方法で脳波、筋電図用電極、脳温測定用サーミスタ、脳室内投与用カニューレを留置する。DSP4の作用発現までの10日間を環境温24゚C、明暗周期12時間の恒温ケージ内で1週間飼育し環境馴化を図る。その後平成23年度と同様のプロトコールで麻酔時間、睡眠を評価し、OX、NPSによる修飾に中枢ノルアドレナリン作動性神経が関与するか否か検討する。In vitroではOXとその生理作用において相補的なmelanin-concentrating hormone (MCH)をH23年度と同様の方法で定量する。用いる麻酔薬はケタミン(100mg/kg)、プロポフォール(80mg/kg)とする。これら麻酔薬の量は標準量であり、麻酔時間(正向反射消失から復元まで)は約30分と力価を統一してある。ラットを所定の方法に基づき断頭、摘出した脳から大脳皮質、視床下部、海馬、橋を分別、OX含量をELIZAで定量する。これらの部位は睡眠-覚醒、記憶に関与する部位であり、また、麻酔機序にも関与する部位である。各時点での血液中のOX含量も同様に測定する。測定時点は麻酔前、麻酔後20分(麻酔中)、麻酔後60分、麻酔後120分の4点とし、含量変化の推移を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ニューロペプタイドS (NPS)、OXと麻酔の相互作用についてのアゴニスト、アンタゴニストを用いた麻酔時間測定、行動実験、脳波分析を行う。現有する装備試薬はフルに使用するが、試薬、動物など一定量はどうしても必要である。脳波電極は電気抵抗軽減目的で金メッキが施されているため単価が高価であるが、良好なデータ収集のためには必須であり、再利用は利かない。また、OXおよびMCH定量にはELIZAが必要であるが、麻酔下の定量は測定感度との兼ね合いを見極めるために慎重を要し、1試料につき重複定量を行いたい。OX、NPSと麻酔の相互作用についてノルアドレナリン神経破壊の役割を検討、また、引き続きNPS、OXによる麻酔後の睡眠時間変化に及ぼす影響を検討する。消耗品の算出根拠は上記と同様であり、また、研究の効率を上げるため脳波測定ソフトを新規に1セット(睡眠データ記録分析ソフトウェア・Biosoft Studio社製SleepWave)を購入したい。また、成果の発表は研究費受領者の義務として必要であると考え、学会出張旅費を計上する。
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Research Products
(3 results)