2013 Fiscal Year Annual Research Report
局所脳機能への麻酔作用の画像解析とその動画ライブラリーの構築
Project/Area Number |
23592244
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤原 直士 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70181419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬尾 憲司 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40242440)
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Keywords | 神経活動画像解析 / 膜電位画像 / カルシウム画像 / 大脳皮質 / 海馬 / 脳スライス |
Research Abstract |
今年度は、神経シグナルの伝達をより広範囲で記録し、とくに灌流切片標本の灌流条件に着目して、測定精度についての更なる向上を図った。また、神経活動の動画画像をウェブで公開した。 1)大脳皮質および海馬スライスの膜電位画像、カルシウム画像はいずれも灌流温度によってその応答が大きく変化し、伝達様式の違いにより伝達速度の温度依存性が大きく異なることから、低温では興奮伝播を生ずる複数のプロセスを区別して観察することができた。また、これら神経シグナルの伝達の複数のプロセスは部位によって関与の仕方に差異があることが画像で観察することができた。 2)温度による興奮伝達の変化は、動画による観察で薬物等の興奮伝播やカルシウム応答に及ぼす影響を画像解析する場合に無視できるものではなく、脳スライス灌流実験における灌流液の温度調節を正確に行い、さらに、灌流温度だけでなく灌流液中の二酸化炭素濃度(酸塩基平衡)を一定に維持するための灌流系の条件設定が重要であることを確認した。 3)脳局所神経シグナル伝達の画像ライブラリーを構築して、研究者や一般の興味ある人々に情報提供を行うため、これまでに本研究室で計測・記録した膜電位画像および細胞内カルシウム画像の動画データを、動画のままで情報を提供するための整理・編集を進めた。これまでに、観察記録した膜電位画像および細胞内カルシウム画像について、脳切片の部位、スライス方向、刺激条件、灌流条件(温度、酸塩基平衡)、使用薬物の種類と濃度、測定条件などによって分類した。それらの分類に従って、動画データを変化の経時変化のグラフとともに動画ファイルとして集積し、データベース化を進めて、順次ウェブ上で公開するためのホームページを開設した。今後、公開する動画データを順次増やすことができる。ホームページのURLはhttp://www.neuro-animation.jp/である。
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