2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592247
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
熊澤 昌彦 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (10303504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 久美子 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (30402209)
飯田 宏樹 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30159561)
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Keywords | 血管平滑筋細胞 / 血管新生 / 動脈硬化 / 静脈麻酔薬 / 遊走 |
Research Abstract |
血管傷害時には、種々のサイトカインや増殖因子により血管平滑筋細胞が傷害部位に遊走・増殖し、傷害された血管の修復を行う。しかし、一方では、血管平滑筋細胞の遊走、増殖は病的新生内膜や動脈硬化の一因となっている。動脈硬化や血管形療後の再狭窄の過程において平滑筋細胞の遊走の分子メカニズムを明らかにすることはきわめて重要である。細胞増殖因子であるPDGFは血管平滑筋細胞の遊走を、p44/p42 MAP kinase、p38 MAP kinase、 SAPK/JNK、Akt のリン酸化を介して促進することが知られている。 静脈麻酔薬は集中治療領域でも使用され、数日に渡り投与されることもあるため、血管に与える影響を解明することは、薬剤の選択上有用である。 今回、静脈麻酔薬(propofol、midazolam、dexmedetomidine、ketamine)がPDGFによる血管平滑筋A10細胞・ヒト大動脈由来血管平滑筋細胞の遊走に及ぼす影響と、A10細胞内におけるその作用点を検討した。 その結果、propofolとmidazolamはPDGFによるA10細胞・ヒト血管平滑筋細胞の遊走を抑制したが、dexmedetomidine、ketamineは影響を与えなかった。A10細胞において、propofolとmidazolamはともにPDGFによるp44/p42 MAP kinase、 SAPK/JNK、Akt のリン酸化には影響を与えなかったが、p38 MAP kinaseのリン酸化を抑制した。propofolとmidazolamははPDGFによるp38 MAP kinaseの活性化抑制を介して血管平滑筋の遊走を抑制することが示された。
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Research Products
(3 results)