2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592254
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 行雄 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60294063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上林 卓彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10273640)
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Keywords | 脳死 / 心機能 / フォスフォランバン / β2受容体 |
Research Abstract |
昨年度は一昨年度の研究結果を踏まえ、ラット脳死モデルを用いて、脳死後の循環動態の変化をコンダクタンスカテーテルを用いて、詳細に検討した 一昨年の研究成果として、ウエスタンブロッテングを用いたところ、脳死に伴いフォスフォランバンのリン酸化は抑制された。つまり、脳死に伴い心筋細胞内においてCaイオンの心筋小胞体への取り込みが阻害され、心不全を招く要因となっていることが示唆された。さらに、PI3Kの阻害薬であるワルトマニンは脳死に伴うフォスフォランバンのリン酸化の抑制を阻害した。以上2点の結果からこれに至るより上流の受容体機構を検討した。具体的には脳死に伴い大量に放出されるカテコールアミンのターゲットとしてβ受容体、特にβ2サブタイプの役割に着目した。この受容体サブタイプは心不全のおいて心筋保護的に働く可能性が示唆されていることから脳死に伴う心不全においても一定の役割があるものと推察した。しかし、脳死導入時からβ2受容体阻害を行った場合、いくらかは心不全の改善が認められたものの、ワルトマニンには及ばなかった。またフォスフォランバンのリン酸化は抑制も大きなものではなかった。この結果からβ2受容体の関与は局限的なものと思われた。
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Research Products
(1 results)