2011 Fiscal Year Research-status Report
悪性腫瘍細胞におけるサブスタンスP受容体の役割と麻酔薬の与える影響
Project/Area Number |
23592265
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山口 敬介 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10338410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 功 順天堂大学, 医学部, 教授 (60164399)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 悪性腫瘍 / サブスタンスP受容体 / サイトカイン / 麻酔薬 / ペントバルビタール / プロポフォール |
Research Abstract |
癌患者に対する外科手術は患者予後に貢献している一方で、腫瘍の転移・再発を促進させる因子であると報告されている。広く臨床使用されているプロポフォールの抗癌作用が報告されているが、その他の麻酔薬が腫瘍細胞に与える影響については不明なことも多い。一方、サブスタンスP(以下SP)は様々な病態と深く関与する神経ペプチドであることが知られており、特に手術侵襲により誘発される炎症や疼痛などにも関連している他、癌再発促進に関わる免疫抑制や腫瘍血管新生に対しても影響している事が報告されている。我々は、ヒト星状膠腫細胞U373MG 細胞株を用いた実験系において、SPが腫瘍細胞に及ぼす影響と、麻酔薬が炎症に与える影響について検討した。その結果、SP刺激により細胞増殖が惹起された。またSP刺激によるサイトカイン産生量測定において、刺激後経時的 (3, 6, 12時間後) にインターロイキン(IL)-6産生量が増加した。これは、ペントバルビタール、プロポフォールの前処置によっても抑制されなかった。一方、IL-8産生量測定において、ペントバルビタールが有意にSP刺激によるIL-8産生を抑制したが、プロポフォールでは抑制されなかった。以上より、ペントバルビタールは、SP誘導によるIL-8発現を抑制し、炎症を軽減する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ペントバルビタール、プロポフォールによる、サブスタンスP受容体を介するシグナル伝達の抑制効果については測定が進んでいる。一方、ケタミンが麻薬指定になったことでケタミンの取り扱いに麻薬使用許可が必要になった。そのため実験用ケタミンを入手することが困難になったため、ケタミンの抑制効果に対する実験が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
実験用ケタミンの麻薬取り扱い免許を申請予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
プロポフォール、ペントバルビタールおよびケタミンによるサブスタンスP受容体を介したサイトカイン産生およびプロスタグランディン産生抑制効果を検討する。
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