2012 Fiscal Year Research-status Report
脊髄再生は運動および感覚機能を正常に回復できるか?脊髄機能モニタリングによる解析
Project/Area Number |
23592278
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
飛田 俊幸 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80262442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 秀明 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (60529775)
河野 達郎 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00313536)
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Keywords | 脊髄機能モニタリング |
Research Abstract |
脊髄損傷モデルラットで脊髄損傷後の機能回復を脊髄機能モニタリングによって解析した。前年度の研究結果である正常ラットで誘発電位を得るためのモニタリング設定条件をふまえて、本年度は脊髄損傷モデルの作成法および設定条件を研究し、その手法を確立した。荷重と各種波形の関係を解析した結果、10分間の荷重による評価が最も適切であった。続いて、損傷した脊髄機能を再生させる可能性のある外的要因に関して解析を試みた。 椎弓切除後、硬膜を温存し脊髄に荷重を加えると、速やかに運動誘発電位は消失した。生理食塩水を投与した群は、荷重解除後も腰部導出運動誘発電位の回復は認められなかった。IL-6レセプター抗体0.1mg/kgを投与した群でも、電位の回復には至らなかった。一方、フリーラジカルスカベンジャーであるエダラボン3mg/kg/hを投与した群では、1時間後の電位の回復が40%程認められた。 したがって、脊髄損傷後の機能的再生にフリーラジカルスカベンジャーは有効である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究目標のひとつである脊髄損傷モデルの作成法を確立することができた。さらに、脊髄の機能的再生に影響する因子の研究にも着手し、多くの結果が得られている。したがって、概ね順調に研究は進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究結果から、一次および二次損傷における神経細胞の崩壊を軽減させることができれば、運動機能の回復率を向上させる可能性がさらに強まった。研究の中心となるフリーラジカルスカベンジャーの作用機序は不明な部分もあるが、急性期の脊髄損傷の回復に関して詳細なデータを集積していく予定である。 さらに、神経損傷後疼痛に関して感覚誘発電位およびin vivoパッチクランプ法をもちいて感覚神経の回復を解析する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ラットおよび試料等の購入費、電気生理学的実験および解析の諸経費が研究を行うために今後も必要である。さらに、研究成果を社会に発信するために国内外の学会および学術雑誌で発表していく予定である。その為に研究費を使用する予定である。
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