2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592279
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高松 美砂子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80432087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生駒 美穂 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任准教授 (30432082)
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Keywords | 神経障害性疼痛 / ケタミン / 脊髄後角 |
Research Abstract |
当該年度は、invivo-patch clump法により正常成熟ラット腰部脊髄後角細胞第二層からの電気生理学的記録を行った。週令6週の成熟ラットをウレタン腹腔内投与下に腰部脊柱の椎弓切除を施行して、ラット後肢の感覚受容野に一致する腰部の脊髄後角第二層細胞からin-vivoでのputchclump記録記録を行った。記録細胞の膜電位を-70mVに固定すると、記録細胞からは自発性に興奮性シナプス後電流(EPSC)が記録された。 ラット後肢刺激は、筆による触刺激とpinchによる痛み刺激を行った。両刺激ともに記録細胞からは刺激を行っている間、EPSCの頻度・振幅ともに著明に増加した。このEPSCはCNQXの灌流投与にてほぼ完全に抑制された。当該年度の実験では抑制性シナプス後電流(IPSC)については記録ができなかった(記録が不安定となるため)。 以上より、ラット脊髄後角細胞第二層にはラット後肢の触刺激・痛み刺激が入力され、刺激によるEPSCが誘起されることが確認できた。このEPSCは主にAMPA受容体が関与して生じていることも確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
25年度にはinvivo patchclumpによるモデルラットの腰部脊髄後角細胞からの記録を予定しているが、記録が安定しない、ラットへの刺激強度の安定化などの問題が残っており、検討中である。 これらの問題が残っているとデータの信用度が落ちるため、早期の解決を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、スライス標本での脊髄後角第二層細胞からの記録では、神経障害性モデルラットでAδ線維を介して誘起される多シナプス応答がほとんどの記録細胞で観察されるなど、正常ラットの脊髄細胞とは異なる可塑性変化が生じていたこと、その可塑性変化にNMDA受容体が関与していることが明らかになった。 今後は、invivo patchclump法を用いて、このNMDAの関与する可塑性変化がin-vivo標本でも観察されるのかどうかを明らかにし、下降性抑制系の保たれた状態でケタミンを投与した際の効果と作用機序についても明らかにしていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度には、invivo標本の生体機能評価(主に内臓虚血の有無)をみるための機械(消化管pH測定装置:30万円)の購入を予定している。標本の鮮度を保つために必要と考えている。 また、実験動物・薬剤の購入、学会参加に使用する予定である。
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