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2011 Fiscal Year Research-status Report

脊髄における5HTレセプターの疼痛修飾機能の役割を明らかにする

Research Project

Project/Area Number 23592289
Research InstitutionShimane University

Principal Investigator

二階 哲朗  島根大学, 医学部, 講師 (20314643)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords炎症性疼痛 / セロトニン / 侵害受容 / 脊髄 / トリプタン
Research Abstract

H23年度は予定を変え、H24年度に行う予定であった5HT1レセプターのサブタイプである5HT1B,1D,1Fが脊髄における抗侵害受容作用にどのような影響を与えるか実験を行った。アゴニスト、アンタゴニストを用いた薬理学的実験を行った。C57BL6/Jマウスにおけるホルマリンテストを用い疼痛行動の観察を行った。薬剤には選択性の高い5HT1Dアゴニスト(PNU142633), 5HT1Bアゴニスト(CGS12066), 5HT1Fアゴニスト(LY344864), 5HT1Dアンタゴニスト(BRL15572), 5HT1Bアンタゴニスト(SB224289)を使用した。まずがスマトリプタンと各アンタゴニストを同時投与し、1Bおよび1Dがそれぞれスマトリプタンの効果を減弱することを発見した。引き続き、1Bおよび1Dのアンタゴニストを混合投与することでほぼ完全にスマトリプタンの抗侵害受容作用がブロックされることを見出した。また1Dのアゴニストは濃度依存性にホルマリンテストの疼痛行動を抑制しそのアンタゴニストでリバースされることを、また1Bレセプターにおいても同様に濃度依存性に疼痛行動を抑制しアンタゴニストでリバースされることを発見した。1Fレセプターについてはアンタゴニストはないためアゴニストだけを用いたが、高濃度の使用で抗侵害受容作用があることが判明した。更に、5HT1Bおよび1Dの混合投与はホルマリンテストにおける、さらに強い疼痛行動の抑制を認め、抗侵害作用が増強することが判明した。5HT1レセプターのサブタイプが脊髄における抗侵害受容作用にどのように影響を与えるか一定の結果を得ることができたと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

H23年度の予定を変え、H24年度に行う実験を前倒して行ったため、早急にこれらの結果を出し、実験を終わらせる予定である。その後予定していた術後疼痛モデルにおけるスマトリプタンの効果の確認および、サブスタンスPやNMDAに対するスマトリプタンの効果を確認し脊髄神経のシナプス前後など作用部位の同定に関する実験を再開する予定である。モデルの作成など準備は完了している。平成23年度は薬理学的手法を用い5HT1レセプターのサブタイプである1B,1D,1Fがどのように脊髄鎮痛に関わる解明することができた。またスマトリプタンの体性痛への効果の機序についても同時に解明することができた。以上のことより研究の目的を果たすべく、実験計画は概ね順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

上記の述べたようH23年度に5HT1B,1D,1Fのサブタイプが脊髄鎮痛に及ぼす影響について調査した。現在はそのサブタイプ同士がどのように影響を及ぼし合うのか薬剤相互作用について調査している。サブタイプの関わりについてはフロリダ大学において遺伝子改変マウスを用いた実験を行っているフロリダ大学神経学准教授Dr. Andrew H Ahnと意見交換を行い結論へ結び付けていく予定である。彼らは遺伝子改変マウスやその他これまでの基礎実験より5HT1Dレセプターが脊髄における侵害受容に関わると考えているが、他の報告では1Bをその主体と考えるなど意見は一致しない。我々の結果は1Bおよび1Dの相互作用を示すものであるため、有意義な議論ができると考えている。トリプタンの体性痛への効果を確認すべく、引き続き予定していた、術後疼痛モデルにおける抗侵害作用の確認および、脊髄神経のシナプス前後の効果を確認するための他の疼痛モデルにおける効果の確認を行っていく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

動物の購入や薬剤の購入、また英語発表抄録の校正費用にあてたが、実験の内容を変更したため残金が生じた。発表旅費も計上していたが、使用することはなかった。残金を含め、本予算はH24年度の上記実験を行うための薬剤の購入及び、動物の購入や管理費用に計画的にあてる予定である。また本年度得た結果について2012年7月に予定されている第34回日本疼痛学会(熊本)、及び8月に予定されている第14回World Congress on Pain (Milan,Italy)にて発表し、研究者との意見交換を行う予定である。平成24年度中には結果をまとめ論文を作成し提出する予定である。そのため資料集めおよび、論文の作成のためのコンピュータプログラムの購入および校正費用に研究費を用いる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] トリプタン鎮痛の可能性 シンポジウム「痛みの最前線:臨床を支える基礎研究-もうすぐ使えそうな新技術-」2011

    • Author(s)
      二階哲朗 太田淳一 今町憲貴 齊藤洋司
    • Organizer
      日本麻酔科学会 第58 回学術集会
    • Place of Presentation
      神戸ポートピアホテル(兵庫県)
    • Year and Date
      2011年5月19日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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