2011 Fiscal Year Research-status Report
再生医療における血管新生は周術期管理法に影響されるのか?ー高血糖の影響ー
Project/Area Number |
23592292
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
川人 伸次 徳島大学, 大学病院, 講師 (60284296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北畑 洋 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60161486)
松久 宗英 徳島大学, 糖尿病臨床・研究開発センター, 特任教授 (60362737)
高石 和美 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20325286)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 周術期管理学 / 再生医療 / 血管新生 / 高血糖 |
Research Abstract |
周術期に使用される各種麻酔薬や麻酔管理法は血管シグナリング因子や血管の反応性に影響を及ぼすため、血管新生にも影響を及ぼす可能性がある。本研究の目的は、再生医療における血管新生が周術期管理法、特に近年問題となっている周術期の急性高血糖に影響されるかどうかを基礎研究(in vitro & in vivo)と臨床研究を組み合わせ、様々な角度から検討することである。 今年度は正常ヒト皮膚繊維芽細胞と臍帯静脈血管内皮細胞から構成された血管新生キット用いたin vitro 実験で管腔形成初期段階として枝分かれした管腔ネットワークを直接観察し、定量評価する手法を確立し、正常血糖環境における影響を検討した。正常ヒト皮膚繊維芽細胞と臍帯静脈血管内皮細胞から構成された血管新生キット(クラボウ バイオメディカル社製)を用いて、各ウェル中で両細胞を最適濃度で共培養し、正常血糖環境モデル(血糖値150 mg/dl以下)を作成した。10日間培養し、管腔形成初期段階として枝分かれした管腔ネットワークを形成させ、血管新生観察・定量システム(倒立型顕微鏡、顕微鏡デジタルカメラ、制御・解析用パソコン、血管新生定量ソフトウェアから構成される)を用いてネットワークを観察した。血管新生の抑制または亢進作用は形成された管腔を管腔染色キットで染色し、スコアリング用グリッドレンズでスコアリングして管腔形成の差として確認した。 正常血糖環境で、静脈麻酔薬ミダゾラムは管腔形成を抑制する傾向を示したが、プロポフォールは有意な影響を及ぼさなかった。高血糖環境での影響を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養細胞を用いた従来からの研究の継続であるが、新しい手法・評価法(管腔形成初期段階として枝分かれした管腔ネットワークを直接観察し、定量評価する)に取り組んだため、その確立に時間を要したが、その後はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、in vitro 実験(高血糖環境)を継続し、その終了後in vivo動物実験を開始する。in vivo動物実験においては、ラットを用い正常血糖群と高血糖群の2群に分類し、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の変化を観察する。吸入麻酔薬(セボフルラン)により麻酔導入・維持する。気管切開、人工呼吸管理下に大腿動静脈よりカニュレーションし、輸液ルート、動脈圧測定・採血用とする。人工呼吸器・麻酔装置を使用し、2時間毎に採血し、VEGF enzyme-linked immunosorbent assay kitを用いマイクロプレートリーダーでVEGFを測定する。12時間測定後にラットを安楽死させる。最終年度には、これらの結果を臨床研究で確認する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度はラットを用いたin vivo動物実験が中心となるため、実験準備は整っており、新規購入する設備備品等はない。主に実験動物・試薬類などの消耗品費と研究成果発表のための旅費等に使用する。繰越金は高血糖環境下でのin vivo追加実験の試薬購入等に使用する予定である。
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