2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592294
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山下 幸一 高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (80335950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 秀宏 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (20335920)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脈波伝搬時間 / 循環管理 / アルゴリズム |
Research Abstract |
「研究目的」脈波伝搬時間に注目した新しい循環管理アルゴリズムを構築することを目的とした研究である。これまで脈波伝播時間に関する報告は少なく、心拍出量と相関する可能性が示されているのみである。本研究は、循脈波伝播時間が輸液指標としての可能性を探るもので、これまで輸液指標として一定の評価が確立している指標と比較検討することによりその有用性を示す計画である。「研究実施計画」豚を用いた脱血・輸液・輸血モデルを作成した。全身麻酔下の豚で、心電図、プレシスモグラフ(尾)、大腿動脈圧、上行大動脈圧、腕頭動脈血流量、肺動脈圧、中心静脈圧、間歇的心拍出量のアナログ信号を連続的にモニタリングし記録した。20ml/kgの脱血で出血性ショックを誘発し、その後5ml/kgの輸血毎に5分間データを採取した。また、人工呼吸による影響を確認するため一回換気量12ml/kgと6ml/kgの比較とPEEP(positive end-expiratory pressure)を0-15cmH2Oに5cmH2O毎変化させた場合のデータも同時に採取した。輸液による変化は循環が安定した状態で100ml毎輸液しデータを採取しデータを検討する計画である。これらのデータをoff-lineで解析し脈波伝搬時間の輸液・輸血による反応性を評価する。アルゴリズム化するためにはこれらの循環指標を自動計測・計算する必要があり、今後測定サンプル時間の設定を検討する計画である。研究予算決定までに時間があったため、本年度は実験計画の8割程度の進行状況である。現在までに10頭分のデータ採取が終了しておりデータの解析を行っている。ただ、実験手技が前年度前半では安定しなかったため6頭分のデータで本年度の学会発表準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究予算額決定が遅れたため、本年度は実験計画の8割程度の進行状況である。現在までに10頭分のデータ採取が終了しておりデータの解析を行っている。ただ、実験手技が前年度前半では安定しなかったため6頭分のデータで本年度の学会発表準備を進めている。次年度、秋に開催されるEuropian Society of Intensive Care Medicine (Lisbon, Purtgeal)に科研助成の援助を受けたとして演題を提出した。また、国内学会にも解析が完了次第演題を提出する予定である。論文発表の準備も進行中であるがデータ数が不足しているため本年度前半で6頭分のデータを追加し完成する予定である。次年度末には欧文誌に発表を考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は前年度の実験を継続実施し、収集したデータを解析し新たな循環指標として確立するための作業を推進する予定である。また、臨床使用を目的に自動解析ソフトの開発を検討する予定である。また、今後研究をより発展するためデータ項目の追加検討を進めている。現在、使用されていないバイタルデータを収集するための技術開発も次年度以降推進する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験頭数が予定数に達しなかったため繰越金が発生した。次年度予算に組み込み実験頭数を増加させる予定である。次年度においては、新たなデータ収集を行うため実験機器を購入し、データ解析を進める予定である。データ解析が進み次第国際学会での発表を計画する。また、次年度の新たなデータを加え、臨床応用のためのアルゴリズム作成をすすめ研究最終年度に発表できるよう準備を進める計画である。
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