2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592296
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
外 須美夫 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60150447)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 忠和 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10163891) [Withdrawn]
山浦 健 福岡大学, 医学部, 教授 (70264041)
塩川 浩輝 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30572490)
大庭 由宇吾 九州大学, 大学病院, 助教 (30567368)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 和温療法 / 神経障害性疼痛 / 慢性疼痛 / 心理社会的因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
九州大学病院ペインクリニック受診患者 のうち、4ヶ月以上疼痛を有し、薬物治療や神経ブロック治療などで十分な治療効果を得られない慢性疼痛患者に対して、治療法の内容を説明し、最大27ヶ月間の和温療法を実施した。内訳は、線維筋痛症、複合性局所疼痛症候群、外傷性神経障害性疼痛の 患者であった。患者には和温療法を持続し、最大118回の治療を実施した。しかし、治療前後の軽度軽減は得られたものの持続せず、27ヶ月後にも痛みが持続し、社会生活の質は変化しなかった。また、数十回に及ぶ治療を継続した患者も明らかな軽減効果は得られなかった。 このように和温療法単独による難治性慢性疼痛患者への有効性は得られなかった。患者は、和温療法を希望され、治療後の痛みの軽減は得られるものの、長期的な改善効果は単独では得られないと判定された。これには、難治性慢性疼痛患者が抱えている心理的因子の比重が大きく、このような患者へは、和温療法のようなサポート治療は、一時的疼痛軽減には効果があっても、他の因子の影響が大きいため、本質的な疼痛軽減までは至らないと考えられる。 本研究の全体的な目的は、難治性の神経障害性疼痛患者に対する新しい治療法として和温療法を試み、その鎮痛効果と社会生活へ の復帰度を検討することであった。しかし、難治性神経障害性疼痛患者の持つ心理的因子や複雑な社会的背景から、この単独の治療法の効果には限界があることが示唆された。
|