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2011 Fiscal Year Research-status Report

非アルコール性脂肪肝炎に対する麻酔薬の肝虚血保護法の検討:糖尿病薬との相互作用

Research Project

Project/Area Number 23592297
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

趙 成三  長崎大学, 大学病院, 講師 (90325655)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords非アルコール性脂肪肝炎 / 虚血再灌流傷害 / 肝臓 / 揮発性麻酔薬 / チアゾリン薬 / インクレチン
Research Abstract

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、肝硬変へ移行する病態として注目されているが、生活習慣病の増加に伴い、本邦でも患者数が増加(およそ100万人と推定)している。また、NASHでは肝虚血傷害が正常肝より強くなることが報告されている。揮発性麻酔薬は肝虚血保護作用を有するが、NASHにおける検討はない。糖尿病薬のチアゾリン薬やインクレチンはNASHの進展予防だけでなく、直接的な肝虚血保護作用も報告されてきている。NASHに対する揮発性麻酔薬と糖尿病治療薬の相互作用を検討し、より有効な肝虚血保護効果方法を確立させることを目的とし、以下の検討を行った。実験1)正常およびNASHラットで揮発性麻酔薬セボフルラン(SEVO)虚血前投与による保護効果の検討:シャム群、コントロール群(麻酔法はPENTで行い、90分の部分肝虚血)、SEVO長時間群(SEVO4%を虚血前15分前まで4時間投与し、肝虚血)、SEVO短時間群(SEVO4%を虚血前15分前まで15分間投与し、肝虚血)で、肝細胞障害の指標、生存率を調べた。実験2)正常およびNASHラットでチアゾリン薬ピオグリタゾン(PIO)またはインクレチンのリラグルチド(LIRA)の虚血前投与による保護効果:シャム群、コントロール群、PIO 3日間投与群、LIRA 3日間投与群、PIOまたはLIRA 1回投与群で、肝細胞障害の指標、生存率を調べた。 正常ラットでは、SEVO虚血前の短時間ならびに長時間投与またはPIO、LIRAの3日間投与ならびに1回投与によって肝細胞傷害の軽減とアポトーシスの抑制が認められ、生存率も高かった。NASHラットではコントロール群の比較で肝虚血再灌流傷害が正常ラットよりも強く生存率も低下した。SEVO虚血前の長時間投与とPIO、LIRAの3日間投与でのみ肝細胞傷害の軽減とアポトーシスの抑制が認められた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究は全て長崎大学の先導生命科学研究支援センター内にある動物実験施設で行っているため、実験操作だけでなく研究に関わる一連の作業が安全かつ効率的に行えることに加えて、既にラット肝虚血再灌流障害モデルを用いた研究を以前から行っており、実験モデルが確立されていることと、大学内の他の研究グループ(麻酔科内および移植消化器外科)とのカンファランスによる検討やアイディア、支援などの協力も得られる環境であること、さらに動物実験担当技官や大学院生の協力も得ることができたためと考える。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度以降は、(1)正常およびNASHラットで揮発性麻酔薬セボフルラン(SEVO)とチアゾリン薬ピオグリタゾン(PIO)またはインクレチンのリラグルチド(LIRA)の虚血前投与法を組み合わせて群で、肝細胞障害の指標、生存率を調べ、効果的な保護法を開発すること、(2)致死的ストレス後の細胞機能維持に働くストレス誘導蛋白の一つであるヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)、虚血再灌流傷害に対する細胞内保護メカニズムであるpathwayphosphatidylinositol-3-kinase (PI3K)-Akt、endothelial nitric oxide synthetase(eNOS)の関与について免疫染色と阻害薬を用いて検討する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究費は主に、(1)実験動物のラットと特殊飼料の購入費用、(2)薬品としては麻酔薬ペントバルビタールやセボフルラン、糖尿病治療薬ピオグリタゾンやリラグルチド、PI3-Akt活性化阻害薬wortmannin、eNO阻害薬L-NAME、HO-1阻害薬SnPP、の購入費用、(3)肝障害の指標であるAST、ALT、α-GSTの測定は外注する。組織標本の作製やHE染色、TUNEL染色、phospho-PI3K、phospho-eNOS、HO-1免疫染色は委託業者にホルマリン固定した試料を送付し、作製を委託する費用にあてるとともに、学会発表のための旅費、論文作成費用に一部を充てる予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results) Remarks (2 results)

  • [Journal Article] Inhalation of hydrogen gas protects against myocardial stunning and infarction in swine.2012

    • Author(s)
      酒井一介、趙 成三、柴田伊津子、吉富 修、前川拓治、澄川耕二
    • Journal Title

      Scand Cardiovasc J

      Volume: 46 Pages: 1-7

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Hyperglycemia raises the threshold of levosimendan- but not milrinone-induced postconditioning in rat hearts.2012

    • Author(s)
      松本周平、趙 成三、戸坂真也、東島 潮、前川拓治、原 哲也、澄川耕二
    • Journal Title

      Cardiovasc Diabetol

      Volume: 12 Pages: 1-10

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 麻酔関連薬の肝・腎保護作用に関する現状

    • Author(s)
      趙 成三
    • Organizer
      日本心臓血管麻酔学会第16回学術大会(招待講演)
    • Place of Presentation
      旭川グランドホテル(北海道)
    • Year and Date
      2011年10月8日
  • [Remarks]

    • URL

      http://research.jimu.nagasaki-u.ac.jp/IST

  • [Remarks] または

    • URL

      http://gyoseki.jimu.nagasaki-u.ac.jp/IST

URL: 

Published: 2013-07-10  

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