2013 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄虚血後のASIC活性化制御による神経保護効果の検討
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23592305
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
草間 宣好 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60336691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 健之 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20295611)
祖父江 和哉 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90264738)
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Keywords | ASIC / 脊髄虚血 |
Research Abstract |
酸感受性イオンチャネル (ASIC)は細胞外protonによって開口するナトリウムチャネルである。ASIC1aチャネルは細胞外ドメインにClイオン結合部位を有しており、これは各種ASICサブユニット間で高度に保存されている。ASIC1aチャネルにおいて、細胞外の陰イオンがこの結合部位を介してチャネル機能を修飾することが明らかにされている。今回、ラットの脊髄後根神経節細胞に発現しているASICチャネルとChinese hamster overy cell(CHO cell)に発現させたASIC2aとASIC3チャネルをwhole cell patch clamp法で解析した。ASIC1aチャネルと同様、陰イオンはCHO cellに発現させたASIC2a、ASIC3チャネルの脱感作速度を変化させた。しかし、ASIC1aとは異なり、陰イオンは活性化のPH依存性も変化させた。また、ASIC2aとASIC3を修飾する各種陰イオンの効果の強さはASIC1aとは異なっていた。さらに、サブユニット間で高度に保存されているClイオン結合部位のアミノ酸残基を変異させた場合、陰イオンによるチャネル機能の修飾はASIC2aでは部分的に消失し、ASIC3では全く変化を生じなかった。ラットの脊髄後根神経節細胞に発現しているASICチャネルの対する陰イオンの効果は、CHO cellに発現したASIC1a/3 ヘテロマルチマ-チャネルと同様の効果を示した。これらのことから、陰イオンは各種ASICチャネルの機能を修飾し、これはチャネル組成に依存するし、ASIC2aとASIC3チャネルを修飾するメカニズムはASIC1aチャネルにおけるメカニズムとは異なることが明らかとなった。ClイオンによるASICチャネル機能の修飾は、細胞外液の組成を感知するメカニズムとしての機能が示唆された。
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